続き
何とか、形ばかりの葬儀を終えた。
同時に、警察に押収されていた息子の遺品が
やっと返却されてきた。
まだ私達は、息子の住居に行ってない。
勤務先、住居の退去など、東京でやらなければいけない事が山ほどあった。
息子を連れて一度九州に帰っても良かったが、私の中では、二度とこの地に戻りたくなかったので、ここに居る間にできることは可能な限り片付けることにした。
息子の遺骨は、主人の母にお願いして、一足先に九州に息子を連れて帰ってもらった。
息子の部屋に入るには、一つ気になる事があった。発見されたバスルームのあとだ。
娘がいるので、まずは主人と私だけで入る事にした。
息子の住むマンションは、都心からも近く、閑静な住宅街にあり、建物もまだ新しかった。
初めて訪れた息子の生活環境は、とても恵まれていたように感じた。
玄関を開けた先は、いくつもの靴。
買ったばかりなのか、未だ履いてない新品のエアフォースワンも置いてあった。
クロゼットには仕事用のスーツが何着か、帰省時に私と一緒に買いに行ったスーツにはまだタグがついたままだった。
リビングのソファには、おそらく結婚式に着ていこうとしていたのだろう。小洒落たスーツとパンツがかかっていた。
テーブルには、飲みかけのグラスと電子タバコ、ゲーム機など、普通の一人暮らしをする青年のスタイルと同じような感じだった。
主人が先に、バスルームを確認した。
続く