ベルリン国立歌劇場管弦楽団来日公演:ブルックナー第7番&トリスタンとイゾルデ(ティーレマン) | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

べルリン国立歌劇場管弦楽団《シュターツカペレ・ベルリン》Staatskapelle Berlin 来日公演[特別公演]を聴いてきました。


 

2022年12月6日(火)19時開演 東京オペラシティコンサートホール

【指揮】クリスティアン・ティーレマン Christian Thielemann

ワーグナー:《トリスタンとイゾルデ》前奏曲と愛の死

ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調

Richard Wagner:Vorspiel und Liebestod aus "Tristan und Isolde"

Anton Bruckner:Sinfonie Nr. 7 E-dur


もともとバレンボイム D. Barenboim が指揮する予定で、シューベルトの交響曲第7番「未完成」とチャイコフスキーの交響曲第5番が演奏される予定でしたが、病気のため降板し、ティーレマンの希望で演目が変更されました。当初はあまり行く気はしていなかったのですが、最近になってついついポチッと買ってしまいました爆笑しかし、結論から言えば、そのポチは大正解キラキラティーレマンを聴くのは、2019年6月にウィーン国立歌劇場で『影のない女』を2回観て以来です。とっても楽しみにしていました。


ホワイエには假屋崎省吾さんの作品クリスマスツリー


もともとは未完成交響曲やチャイ5という一般的に聴きやすいプログラムということで多数(300人?)のお子さんが招待されていたようです。さらにその保護者も多くて、物を落とす音やら雑音が多かったと嘆くツィート等が散見されましたが、ブルックナーとかお子さんにはちょっときついのでやむなしかな。まぁ、親も含めて物を落とす音が確かにうるさかったですがあせる…子どもたちは楽しんでくれたかな? また聴きに来てねウインク

お子様を無料ご招待!(12/6 特別公演)
新型コロナウイルス感染症の影響下において、子供たちの鑑賞・体験の機会が失われております。本事業は若い世代に本格的な芸術に触れる機会を提供するため、文化庁の支援のもと小学生~18歳以下のお子様をコンサートにご招待いたします。どうぞこの機会に次代を担う子供たちに舞台芸術の素晴らしさをご体感いただけますと幸いです。
対象公演:12月6日 (火)19:00開演 東京オペラシティコンサートホール
ベルリン国立歌劇場管弦楽団≪シュターツカペレ・ベルリン≫(指揮:クリスティアン・ティーレマン)
対象年齢:ご来場時に小学生~18歳以下の方
お申込み期限:11月21日(月)23:59(先着順)


1st Vnに美しい奏者が…よく見たら有希・マヌエラ・ヤンケさんラブラブティーレマン登場で会場から大きな拍手。2曲とも完全に手中に入れた作品なので、ティーレマンは譜面台なしで好きなようにオーケストラを操っている感じ。16型のSKBでTOCだと響きすぎてグワングワンとなるのではと心配していましたが、ほとんど気にならずに十分な音圧を浴びてカ・イ・カ・ンラブラブトリスタンとイゾルデは冒頭の弱音から美しく、たっぷりとしたテンポがめちゃくちゃ心にしみる。とにかく弦が分厚くてなかなか日本のオーケストラでは聴けない音。音が渋くてふくよか。感心したのが木管の温かみで、特にオーボエの女性奏者がめちゃくちゃ巧い。ワーグナーの超濃厚、特濃な愛が表現されていたように思え、めちゃティーレマンでした爆笑


20分の休憩の後はブルックナー交響曲第7番。思い出すのは、昨年6月飯守・東響の超感動名演。

その時はめちゃ泣けたけど、ティーレマンSKBはオケが巧くてすごくてこれまでのイメージと違うブル7に唖然とすることの連続で、むしろ泣けなかったチューティーレマンは楽譜に忠実というより、自分のやりたいように若干編曲してるっぽいほどのテンポの揺れや強弱をつけたかのような演奏。これはこれで非常に面白くてワクワク感が溢れる。第1楽章冒頭でのヴァイオリンやチェロの出だし、トレモロのなんとも美しいこと。そしてここでもオーボエがめちゃ巧くて感動的。それから金管もすごすぎでしょうびっくり第2楽章アダージョもめちゃくちゃ美しくて芳醇キラキラたっぷりなティーレマンがさらに濃厚な音楽を演出。音楽がうねるうねる。聴いているこちらはうなるうなる。つまらない駄洒落を言うつもりはないのですが…ワーグナー・チューバも素敵な響き。個人的には第2楽章が一番気に入りました。第3楽章スケルツォは一転自由な感じで、とにかく快感。あおるあおる。金管がめちゃウマでなんという高揚感チューそして第4楽章もクライマックスらしく、総休止もテンポの揺れも金管のトゥッティの激烈さもまさにティーレマン節の真骨頂を聴いた感じがした。そして最後の静寂も感動的。客席もしっかり拍手を我慢。


いわゆるソロカーテンコールは2回あり、Bravo!があちこちからかかっていました。ブラームス・ツィクルス(水曜日の2番・1番と木曜日の3番・4番@サントリーホール)は聴きませんでしたが、この特別公演を聴けただけでも大満足でした飛び出すハート