瀬尾まいこ『君が夏を走らせる』 | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

瀬尾まいこ『君が夏を走らせる』(2017)を読みました。読んだのは先月下旬ですが…

めちゃくちゃいい本キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ
孫が欲しくなるラブラブラブラブグリーンハーツブルーハーツイエローハーツ

ろくに高校に行かず、かといって夢中になれるものもなく日々をやり過ごしていた大田のもとに、ある日先輩から一本の電話が入った。聞けば一ヵ月ほど、一歳の娘鈴香の子守をしてくれないかという。断り切れず引き受けたが、泣き止まない、ごはんを食べない、小さな鈴香に振り回される金髪少年はやがて──。きっと忘れないよ、ありがとう。二度と戻らぬ記憶に温かい涙あふれるひと夏の奮闘記。

 

高校2年生の大田は、3歳年上の中武先輩夫妻から夏休みの1か月間1歳9か月の鈴香を預かってほしいと懇願される。
 

非常にいい作品。大田くんの鈴香への気持ちがとても懐かしい。2歳前の記憶がほぼ残らないのは、大田くんにとっては切ない。最後はウルってくるぐすん


p156「恋なんてふんわりしたものとは違う、もっと体の奥から湧き出てくる力強い気持ち。今まで知らなかったそんな気持ちが、俺の心を弾ませ揺すぶり動かしている」

p222「鈴香といると、すごく疲れる。でも、鈴香が少し笑うだけで、鈴香がほんの少し昨日とは違う姿を見せるだけで、どうしてだろう。どうしようもなく、満ち足りた気持ちになる。他にこんな気持ちになるものは、何も知らない」

『あと少し、もう少し』という作品に出ていた大田クンが主人公なので、こちらを先に読むべきだったようですガーン というわけで、読み始めました。