エウゲニ・オネーギン @ 新国立劇場 | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

新国立劇場2019/2020シーズン開幕公演。新制作の『エウゲニ・オネーギン Eugene Onegin』(初日)を観てきました。
  
2019年10月1日(火)18時30分開演 オペラパレス
エウゲニ・オネーギン Eugene Onegin
全3幕 ロシア語上演(日本語及び英語字幕)

新国立劇場の楽屋口辺りがものものしい雰囲気。皇族の方かなと…席に座ると2階席最前列の中央付近が全て空席。2階席R1列目は報道陣のカメラ多数。場内アナウンスの後、秋篠宮ご夫妻がお出まし。紀子さまは青と緑の中間色の落ち着いた素敵な雰囲気のワンピース。その他にも開幕公演とあって、(いろんな意味で)超有名になった某国会議員、新国立劇場賛助会員の某国会議員、元アナウンサー、タレントなどなどをホワイエで見かけた。

主要4役をネイティブで揃えたので、ロシア語が自然。当然だけど、これ大切。タチヤーナを歌ったEvgenia Muravevaがとにかく素晴らしい。見た目も美しいラブ声質も声量も最高。長大な「手紙の場面」が素晴らしくてもう一度聴きたい。最後のオネーギンを拒絶する場面なども演技を含めて素晴らしかった。

出番が少ないが、グレーミン公爵を歌ったTikhomirovはロシアもののバスの見本のように渋くて響く声。最後の低音のしっかりとした音程と発音に感激。あれは失礼ながら日本人歌手には無理だろうと思う。わざわざこの短い出番だけのために招聘した理由と意義がある。オネーギンLadyukとレンスキーKolgatinの2人もレベルが高く、それぞれのアリアも大満足。

演出、舞台セットはオーソドックスでまずまずだけど、集中力を削ぐ変な小芝居が多すぎるのに閉口キョロキョロ特に第2幕第1場の宴会での酔っ払い(トリケ)が第2場の真剣・深刻な決闘の場面にまで登場させる意味が分からん。母ラーリナとオリガも。それから、ただでさえ長い第1幕(約80分)なのに、第2幕第1場まで一気に100分近く上演したのにはまいったガーンさらに、第2幕第2場と第3幕をつなげたために、ポロネーズのところで3年間の年月の経過がイマイチ実感できない。第2幕、第3幕もそれなりの長さなので、各幕ごとに休憩を挟むのでいいのでは?

Yurkevych指揮とオーケストラは、前半は長いこともあり、やや退屈なところもあったけれど、まぁまぁよかったと思う。冒頭に合唱があったように思うんだけれど、カットされたのかな?聴き逃した?いつも思うけど、これをチャイコフスキーじゃなく、ヴェルディやビゼー、マスカーニ、カヴァッロなんかが書いていれば、最後の場面でタチヤーナはオネーギンに刺されて死ぬのかな?

開演前、ホワイエで某友人と遭遇。奥さまとお嬢さんも一緒。「なんでいるの?」と聞くと「姉が出演するから」めちゃびっくりびっくり



【作曲】ピョートル・チャイコフスキー 
【指揮】アンドリー・ユルケヴィチ Andriy Yurkevych 【演出】ドミトリー・ベルトマン Dmitry Bertman
【美術】イゴール・ネツィニー Igor Nezhny 【衣裳】タチアーナ・トゥルビエワ Tatiana Tulubieva 【照明】デニス・エニュコフ Denis Enyukov 【振付】エドワルド・スミルノフ Edvald Smirnov 【演出助手】ガリーナ・ティマコーワ Galina Timakova 【舞台監督】髙橋尚史

【タチヤーナ Tatyana】エフゲニア・ムラーヴェワ Evgenia Muraveva 【オネーギン Eugene (Yevgeny) Onegin】ワシリー・ラデューク Vasily Ladyuk 【レンスキー Vladimir Lensky】パーヴェル・コルガーティン Pavel Kolgatin
【オリガ Olga】鳥木弥生 【 グレーミン公爵 Prince Gremin】アレクセイ・ティホミーロフ: Alexey Tikhomirov 【ラーリナ Madama Larina】森山京子 【フィリッピエヴナ Filipyevna】竹本節子
【ザレツキー Zaretsky】成田博之 【トリケ Monsieur Triquet】升島唯博 【隊長 A Captain】細岡雅哉
 
【合唱指揮】三澤洋史 【合唱】新国立劇場合唱団 【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団