ラ・バヤデール @ 新国立劇場(2日目)米沢&井澤 | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

今日の正午過ぎに、心配していたbad news。アンスネスのリサイタル中止とベルリン放送交響楽団と弾く予定だったブラームスのピアノ協奏曲第1番がモーツァルトの第21番に変更されるとのこと。昨秋のエレーヌ・グリモー、最近のブニアティシュヴィリときて、アンスネスの肘の故障は辛すぎる。2016年秋のリサイタル以来ずっと楽しみにしてきたのだけれど、最近もキャンセルがあったと聞いていたので心配していたんだけど…やっぱり無理だったのか…ものすごく残念。無理しないで、治してまた素晴らしい演奏を聴きたい。モーツァルトを楽しもう。

さて、日曜日に新国立劇場バレエ『ラ・バヤデール La Bayadère』(2日目)を観てきました。
 
その前に…申し込んでおいたクラスレッスン見学会が10時40分から。見るのは1年前の『ホフマン物語』の時以来2回目。座席は1階11列目中央。バレエ団の男性全員と女性はプリンシパルからソリストまで全員のレッスン風景を正午まで見学。素人目で見てもこれはかなり面白い。コーチが素早く見本を見せるんだけど、それをダンサーたちは見ていたり見ていなかったり。それでもうまくこなすんだよね…いつもやっているから、あぁあれかって分かるのかな。あんなにたくさんの振付をよく覚えられるものだ。身体に染み付いているんだろうか。さすがプロだ。
 
2019年3月3日(日)14時開演 オペラパレス
【音楽】レオン・ミンクス  Léon Minkus 【編曲】ジョン・ランチベリー 【振付】マリウス・プティパ Marius Petipa 【演出・改訂振付】牧阿佐美 【指揮】アレクセイ・バクラン Alexei Baklan
【管弦楽】東京交響楽団 【コンサートマスター】グレブ・ニキティン Gleb Nikitin

【ニキヤ Nikiya】米沢唯 【ソロル Solor】井澤駿 【ガムザッティ Gamzatti】木村優里
【ハイ・ブラーミン(大僧正)】貝川鐵夫 【黄金の神像】木下嘉人 【ラジャー(王侯)】中家正博 【マグダヴェヤ】福田圭吾 【トロラグヴァ】渡邊峻郁 【アイヤ】中田実里 【ジャンペの踊り】渡辺与布、益田裕子 【つぼの踊り】原田舞子 【ピンク・チュチュ】池田理沙子、飯野萌子、広瀬碧、廣田奈々 【影の第1ヴァリエーション】五月女遥 【影の第2ヴァリエーション】奥田花純 【影の第3ヴァリエーション】細田千晶
  
ランチをすませて14時から『ラ・バヤデール』。座席はお気に入りの2階サイド席前方。平土間で言うと9列目あたりかな。舞台に近くて指揮者もオケもよく見える。ただ、バレエの場合、正面から見た方が美しいことが多いので、オペラほどは楽しめない欠点がある。

バヤデールの舞台を生で観るのは初めてなので、あらすじは頭に入っているものの、踊りがどうだとはまだまだ分からない。しかし、長い演目ということもあり、非常に見どころが多いし、舞台や衣装も見ごたえがある。牧阿佐美さんの演出は、最近多いつまらないオペラの舞台よりはよっぽど楽しめた。米沢唯さんのニキヤ、木村優里さんのガムザッティが圧倒的に素晴らしくて感動もの。優里さんは小野・米沢両巨頭の次世代を築いていくのだろうか。そう思わせる存在感と風格が備わってきたと思う。井澤駿さんの踊りもダイナミックですごい。第3幕「影の王国」の32人によるコール・ドもよかった。贔屓にしている渡辺さんのジャンペの踊り、ピンクチュチュの池田さんももちろんガン見バレエとても見どころの多い演目なので楽しめた。それから音楽だけど、バクランの指揮で観るのは8回目。私はバクランの指揮が大好きなのだ。私の席から指揮とコンマスが見えすぎるので、舞台に集中できないところもあったべーっだ!

幕間のデザートはこちら。イチゴとブルーベリーのチョコレートケーキ、パンナコッタ。両方とも美味しかったです。
  
倍率5倍ちょいの公演後のバックステージツアーにめでたく当選したので参加。2015年『マノン・レスコー』以来4年ぶり。スタッフの佐藤さんに舞台裏に案内してもらい、途中から舞台監督の高橋尚史さんから舞台セットや小物などを細かな点まで面白く説明していただく。壺や剣など小物は全てものすごく軽く作られているとか…ダンサーのクッションになるような床の作りとか、舞台セットは結構人力に頼るところが多く、コンピュータ制御よりも簡単で正確で信頼性が高いとか…バクランさんの指揮はいつも正確で、1幕40分で30秒もずれたことがなく、バレエを振らせたら天下一品だとか… 最後に寺院を壊す仕掛けとか…非常に貴重な機会で、とても興味深く、90分間たいへん楽しめた。舞台セットは撮影不可だけど、客席方向は撮ってもいい。
というわけで、見学会、ラ・バヤデール、バックステージツアーと終日新国立劇場で過ごした感じで、思い出深い日となった。バヤデールはもう1回観る予定。