レイフ・オヴェ・アンスネス:ピアノ・リサイタル | のんびり まったり やんごとなき みやびなまいにち

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つれづれなるまゝに、日ぐらし硯に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き付くれば、あやしうこそ物狂ほしけれ。

最も好きなピアニストの一人レイフ・オヴェ・アンスネスさんのピアノ・リサイタルを聴いてきました。先週末のN響の定期演奏会に2日とも行ったので、1週間で3回聴いたことになります。追っかけですな…

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今回は、友人に依頼されて追加でチケットを取ったのですが、勘違いして買いすぎるミス。お譲りできる方がいて、無駄にならずよかったです。災い転じて福となす?

2016年11月25日(金)19時開演
東京オペラシティ コンサートホール
レイフ・オヴェ・アンスネス Leif Ove Andsnes
 
シューベルト:3つのピアノ曲 (即興曲)D946 (第1番:Allegro assai 変ホ短調、第2番:Allegretto 変ホ長調、第3番:Allegro ハ長調)
シベリウス:即興曲 第5番 ロ短調 Op.5-5
シベリウス:3つのソナチネ 第1番 嬰ヘ短調 Op.67-1
シベリウス:2つのロンディーノ 第2番 嬰ハ短調 Op.68-2
シベリウス:ロマンス 変ニ長調 Op.24-9
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ドビュッシー:版画  Ⅰ. 塔 Ⅱ. グラナダの夕べ Ⅲ. 雨の庭
ショパン:バラード 第2番 ヘ長調 Op.38
ショパン:ノクターン 第4番 ヘ長調 Op.15-1
ショパン:バラード 第4番 ヘ短調 Op.52

【アンコール】
ショパン:ポロネーズ第6番 変イ長調 Op.53「英雄」
シベリウス:悲しきワルツ Op.44
 
Opera Cityは20周年Christmas仕様
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ホワイエに假屋崎省吾氏「ときめき」
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ノルウェー大使館が後援しており、ノルウェー大使館関係者のデスクが設置されていて、冊子の配布やら説明などされていました。さすが、アンスネスさんはノルウェーの宝です。

B〜C席は完売ながら、1階S席の後方数列がゴソッと空席。オペラシティ1632席を満員で迎えられないのが残念。23日に所沢でも同じ演目でリサイタルがあったからからかな。

先週のN響同様、スラッとしたスーツ姿で颯爽と登場。タイも黒か濃いグレーが好きみたい。私が読者になっている方の記事によると、Armani ではないかとのこと。関係ないけど、私も Armani 好きです。よくは分からないですが、仕立てが非常にいいことが見て取れ、シャツとのバランス、タイの結び目がとても綺麗。長身でもあり、着こなしがとてもカッコいい。

さて、最初のシューベルト。約1000曲作曲した中のD946から分かるとおり最晩年(と言っても31歳で没)の作品。第1番は Allegro assai。速めで激しい作品だと思うけど、アンスネスさんはピアノを叩くような感じはなく、非常に知的で優しいタッチ。こうして聴く3回目もやはり素晴らしい。しかも、音響に難のあるNHKホールで聴くのとは明らかに違う柔らかさがある。特に素晴らしかったのは、第2番 Allegretto! 名盤アラウのCDで予習していた名曲ですが、生で聴くアンスネスさんの演奏があまりに素晴らしすぎて、胸が締めつけられました。もう、たまらん〜っていう感じ。1970年生まれの46歳。ノルウェーの国宝、巨匠の仲間入り間近ですが、これみよがしな演奏とは掛け離れた自然体のスタイルが貫かれている。特別な何かをしていなさそうなのだけれど、すっと心の中にじわじわとしみこんで、幸せな気持ちで満たされる、そういう演奏かな。貧弱な私の表現力ではうまく説明できない。30分弱、シューベルトに浸らせてくれた。bravo!です。

シベリウスのピアノ曲はあまりなじみがないですね。即興曲、ソナチネ、ロンディーノ、ロマンスと短い作品が続けて演奏されました。その間拍手なし。アンスネスさんのシベリウスは、音が澄んでいて非常に美しい。即興曲が思いのほかよかったですが、一番しみじみと心にきたのは、前半最後の『ロマンス』。N響定期で両日ともアンコールで弾いていましたが、オペラシティで聴くと違う曲のような感覚。

後半はドビュッシー『版画』から。これがまた素晴らしかった! 『塔』『グラナダの夕べ』のエキゾチックな演奏は前半プログラムとの対比でとても面白かった。特に3曲目の『雨の庭』が素晴らしかった! 私の感想では、(短い曲だけど)『雨の庭』とシューベルト第2番がこの日の白眉。今年5月にここで聴いたエレーヌ・グリモーさんのリサイタルの前半プログラム「WATER」シリーズも素晴らしかったですが、アンスネスさんも同様にキラキラ感が特に印象的でした。演奏が終わった瞬間、私も心の中で思わず「う〜ん」と唸りましたが、1階席前方からとてもカッコいい「bravo!」が飛びました。外国人かも。やはり、それくらいよかった!

リサイタルの最後、ショパン3曲は、ヘ長調 → ヘ長調 → ヘ短調。あえてそのような選曲なのでしょうね。印象としては、ど素人の私が言うのもなんなのですが(そもそも「ショパンらしい」という定義はできないけれど)あまりショパンらしくないショパン。哀愁とか郷愁とかロマンティックとかとはちょっと違っていて、虚飾のない折り目正しくきめ細かいショパンかな〜 私の表現力が稚拙ガーン でも、やっぱり素敵なショパン。アンスネスのショパンなんだなぁ〜 何を言っているのか意味不明ガーン まぁ、とにかくよかったのです! 安直・安易で陳腐な感想でアンスネスさんに申し訳ない…

アンコールは・・・
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アンコールは渋い選曲のリサイタルに…超メジャーな『英雄ポロネーズ』。でも、これがまたよかった! めっちゃ雄弁に鳴っていました。いろいろなレベルでこの曲を聴いたことがあるけれど、これぞ本物。最後はシベリウスの『悲しきワルツ』。ピアノ版があるのですね。とても心静かな余韻とともにアンスネスさんのリサイタルは締めくくられました。英雄ポロネーズとともに、非常に練られた選曲。

音譜素晴らしい演奏会でした音譜

お疲れの中でサイン会
並んでいたのは8割以上が女性!
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1階席の後ろや舞台上などカメラが3台ほどあると思っていたら、1月27日(金)午前5時からNHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」で放送されます。聴き逃した方、もう一度聴きたい方はぜひ。
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アンスネス・ウィークはこれにて終了。『ラ・ボエーム』も観たし、とても幸せな1週間でした。またアンスネスさんを聴ける日を楽しみに音譜


ホントはもうちょっとショパンについてもちゃんと感想を書き残しておきたいのですが、土曜日にはN響定期演奏会に行ったことに加えて、日曜日の今日は他の日のチケットを既に買ってあるにもかかわらず午前中急に思い立って新国立劇場『セビリアの理髪師』を当日券で観に行ってしまったので、まだ書けていない感想がたまりにたまって収拾がつかなくて、このあたりで…