「絵に描いたような」 | これって闘病!?

これって闘病!?

子宮頸癌Ⅰb2でした


先日、バス停でぼーっとバスを待っていました。

まだまだ風は冷たくて、ニット帽からはみ出ている耳が痛いほど。
じっとしていると芯まで冷えそうで、時々足踏みしながら、通りの行き交う車を見ていました。


私は、術後から右足の感覚がおかしいです。
おまけに、抗がん剤の副作用である痺れも未だにしっかりと残っています。
更には、両足リンパ浮腫で、特に右足の浮腫が強いです。

まさに、トリプル・パンチ。

某アイスクリーム屋さんのトリプルは、ウハウハ嬉しいけれど、こちらのトリプルは嬉しくないですね。

でも、もう慣れたということもあるし、抗がん剤終了直後に比べれば筋力も多少は付いているし、日常、生活する分には今は何ら問題はありません。

ですが、車の運転はずーっとしていません。
いや、何度か運転したのですが、感覚が鈍い上に重怠い足でアクセルやブレーキを踏むのは、かなりの緊張を強いられました。
慣れた感覚とは全く違うので、なんだか筋肉痛になったし、妙にスローな安全運転になっちゃいました。

自分では「練習あるのみだなぁ~」と、思うのですがね、いかんせん、家族が心配して反対しています。

まぁ、そういうことで今では、もっぱら公共の交通機関を利用しています。

で、話を戻しますと、この日は久しぶりにリンパ浮腫外来で施術を受ける予約を入れていた日。

バス停に立っていると、見知らぬ御年配の女性が交差点を歩いてバス停まで来ました。

女性はバス時間を確認し、辺りを見回していました。
2度ほど目が合いました。

私はマスクにメガネという出で立ちでしたが、一応、目が合ったので目で微笑みました(つもり)。
元来が人見知りなので、コレが精一杯の挨拶。

それから、しばらく経ってから「寒いわね~」
という言葉が聞こえました。
ここには私と女性だけしかいなので、自分に話しかけられたのだと思ったとき、女性は私の背後を指さし
「ほら見て。絵に描いたような雲ね~」と言い、指をさした方向を見ながら目を細めていました。

振り返ると、本当に絵画のような青空と雲。
日が傾き始める時間の少し前の午後、雲はお日様の光を浴びて青空とのコントラストがとても美しく見えました。

「ほんとですね~。きれいですね~」と、私も同意しました。

すると、一呼吸置いてから、その女性が「あそこに見える建物は○○病院?」と言うので「はい。そうですね。○○病院が見えますね~」と答えました。

「う~ん…やっぱり歩くわ!じゃあね~」と、去って行きました。


歩道のところどころ、昼間に溶けた雪が冷えて凍りはじめていて、ツルツルになっているところがあり、足元の悪い道です。
しばしの間、女性のことが心配で後ろ姿を見送っていました。
お見舞いに行くのかな。
それとも、どこか体調良くないのかな。
そんなことを想像しながら、しっかりした足取りで歩く女性の後ろ姿を見ていました(私より元気そう)。


その間、さっきまでよりも、心が軽くなっている自分に気づきました。

というより「あれ?さっきまで、私、もしかして憂鬱だったのかな」と気づいたというか。

この日は、久々のリンパ浮腫外来に行くことを楽しみにしていたのに、もしかしたら、どこか気持ちが重かったのかもしれません。

最近は、足だけじゃなくて脇腹(腰背部あたり)にも浮腫が出てきて、痛くて怠い状態だったし、ここのところ何となく調子が上がらなかった気がします。

だから、ちゃんと背筋を伸ばして、こんな気持ちで空を見上げることさえしていなかったのかも。



そして、リンパ浮腫外来では久々に、しっかりとドレナージしてもらいました。
やっぱり自覚のあった足首や、脇腹、大腿の裏側など、リンパ液が滞っていて、セラピストさんに指摘されてしまいガッカリでしたが、それほど落ち込むことはなく、むしろ「は~い。がんばりま~す☆」みたいな気持ちになったのでした。


あの女性から、元気をもらった気分です。
気持ちも、足も、とっても軽くなって気持ちの良い1日となりました。

なんてことのない、日常の一コマですが嬉しい日でした。


話しかけてくれた女性に、もし、またあのバス停で会えたら、私から話しかけてみたいなぁと思いました。

覚えてくれているでしょうか。
覚えていられるでしょうか。

お互い、マスク姿だったけれど(笑)。

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その時の「絵に描いたような雲」。ぽわぽわと、雲のように軽い気持ちになりました。




インフル予防と防寒に
マスクはマスト☆
ヽ(*・ω・)人(・ω・*)ノ

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