話題の映画「国宝」を今更ながら観てきました。

 

 

IMAXで特等席、ほぼ貸切状態という、最高の環境で観てきました。

 

映画自体はとても良かったと思うのですが、どうしてもチラチラと横切る既視感と、その既視映像の強烈さ故に、どうしても没入できないという、ちょっと残念な部分もありました。

 

 

これはもう、本当に個人的な問題なのですが・・・・

 

私は、「今まで観た映画でどれが一番好き?」と尋ねられた時、「さらば我が愛覇王別姫です!」と答える女です。

 

父が無類の映画好きで、幼い頃から映画を大量にみせられて育ちました。

 

それこそ1歳ぐらいから映画館に行ってた記憶があります。

2歳で親に説教するほど口が達者だった私は(笑)、恐らく、1歳の頃から映画をそれなりに鑑賞することができていた気がします🤭

 

「そんなに小さい頃のこと、よくおぼえているね」と尋ねられることが多々ありますが、なぜか、3歳ぐらいまでの記憶には、かなり鮮明なものがいくつかあるので、それらを元に現在の頭で時系列を整理することができます✌️

映像というよりも、画像記憶的なものなので、写真を並べ替えて推測する感じです。

 

さて、話がそれましたが、映画館にもたくさん行き、家では毎晩2本映画を見ながら夕食を食べるという、ハードな幼少時代を過ごした私は、一時期、完全に「映画嫌い」になっていました🤭

 

そんな私に唯一「響き」そして、特別な映画として忘れられないのが、「さらば我が愛覇王別記」です。

 

子供の頃に見て、お気に入りの映画として、折に触れ何度も家でも見ていました。

 

レスリー・チャンの醸し出す唯一無二の空気感、世界観は本当に「心をぐちゃぐちゃ」にかきむしります。

 

また、映像も非常に美しく、京劇をテーマにした映画ですので、色彩美は言うまでもなく、カメラアングルなどもやはり一流です。

 

日中戦争、文化大革命など、激動の時代背景、それらに翻弄されていく人々の人生を、それぞれにクローズアップして描かれています。

時代に翻弄されながらの壮絶な人生。

 

そんな時代背景を丁寧に描写した脚本も重厚感があり、ずっしりと世界に引き込む重力を感じます。

 

 

音楽も文句なく素晴らしい。

音楽は映画にとって非常に重要な要素です。

どんなに良い映画でも音楽がダメなら、その映画は見るに値しない映画になってしまいます。

逆に、イマイチな映画でも、音楽さえ良ければ、それなりのいい映画として完成してしまいます。

 

そして、なんといっても、一流すぎる監督と俳優陣。

 

監督はチェン・カイコー、主演はレスリーチャン。

コン・リーの安定感のある演技も素晴らしかった!

 

と、まあ、色々理由をあげてみましたが、とにかくこの映画が私はとても好きなのです。

 

 

で、話を「国宝」に戻します。

確かに、映像も綺麗だったし、俳優陣の演技も素晴らしかった。

でも、どうしてもチラチラと覇王別姫がよぎるのです。

 

空気感も彷彿とさせるものがあり、重なるシーンもいくつかあり、どうにも「覇王別姫」がチラついて、没入できない・・・

 

 

と、不完全燃焼で帰宅して、ググってみると・・・・

 

なんと!国宝の李監督は、まさに覇王別姫に強烈に影響を受けて映画監督になった方でした。

 

https://eiga.com/news/20250619/21/

 

舞台挨拶に登場した李監督は、中国語で「ニーハオ」と挨拶し、「上海で上映できることは僕にとって特別な想いがあります。『国宝』の映画制作にあたり、学生時代にチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)を観た衝撃から、いつかこんな映画を撮ってみたいという想いを持っていた。それが歌舞伎をテーマに映画を撮ってみたいという思いにつながっていました」と制作に至った経緯を語った。

 

いつかこんな映画を撮ってみたいという想いを持っていた。

 

李監督。

夢を叶えたんですね。

 

「こんな映画」になっていましたよ😅

 

もうね、ホント、不思議な感覚ですよ。

 

映画自体は全然違うのに、チラチラ差し込まれるあの「映像」。

 

なんか二つの映画を同時進行で見ているみたいだった。

 

一つは物理身体の「眼」で観て、

もう一つは脳内の「眼」でみて。

 

これは霊視をしている時と同じ感覚。

現実世界と、抽象度を上げたビジョンの二つを、レイヤーのように重ねて観る感じ。

 

 

映画でこうなったのは初めてです🤭

 

いや、しかし、謎が解けてよかったです。

このモヤモヤがない状態でもう一回観たら、きっと覇王別姫が横切ることはないと思います。

機会があればもう一度観に行きたいと思います。

 

 

役者さん達がとても魅力的でしたね(^^)

 

一番目が良いと感じだのが、喜久夫の子供時代役の黒川くんです。

一番光っていて、目が離せないすごい役者さんだと思いながら観ていましたが、帰ってから調べたら、やはりすごい経歴の持ち主でした^^;

5歳でデビューして、数々の受賞歴。

これからが楽しみな俳優さんです。

 

あと流星さんの曽根崎心中には胸を打たれました。

あの気迫。

圧倒されました。

顔が良いだけの役者ではなかったのですね。

 

それに対して、高畑さんの役柄は、なかなか難しいところですね。

原作を読んでいなければ、かなり印象の悪い役柄でしょう。

 

そういう意味では、全体的に脚本や演出はかなり雑だったなという印象です。

 

まるでダイジェスト版のような映画だと感じました。

ノーカット版を見てみてたいというのが本音です。

 

あと、あれだけの豪華絢爛色彩美の世界観なので、もう少しアーティスティックなカメラワークにしても良かったのではないかと感じました。

 

良い映画だけに、もったいない感じが残念です(^^;;


いずれにせよ、余韻も長く、もう一度観たいと思わせる映画であることは間違いありません☺️