「そうそう、この前黒豆を多めに煮たから
冷凍にしてあるの。持っていく?」
先日、用があって実家に寄った私に
母からの嬉しいお土産は、私の大好きな
母が煮た黒豆です。
「わぁ!」
とつい声が出てしまうくらい好き。
多分母は、私が好きなのを知っていて
冷凍して取っておいてくれたのでしょう
ツヤツヤ〜
ピントが合っていないけれど(笑)
実は、母の煮豆はあまり甘くないんです。
子どもの頃は、市販の煮豆のようにもっと
甘くして欲しいのに、なんてよく文句を
言っていたんですけどね。
でも、大人になってみると、いつのまにか
このほのかな甘みの黒豆が大好きになって
いました。
柔らかくてふっくらとした黒豆。
もはやデザート感覚で食後に食べます。
私は母と違って煮豆を作るのが苦手です。
この前も発酵あんこを作ったのですが、
1回目は失敗してしまい、2回目も
ギリギリOKかな?という仕上がりになって
しまいました。
小豆も煮るのが下手な気がして、
黒豆なんて失敗したらもったいないので
自分で煮えない(笑)
母から冷凍された黒豆を受け取りながら
「どうしたらこんなふうに煮豆が
美味しく煮れるの?」
と聞いてみました。
「え?うーん、お母さん、暇だからじゃない?」
いやいや、暇じゃないでしょう。
「専業主婦で家にずっといるんだから、ゆっくり煮豆も作れるってだけよ」
今度作り方を聞く約束をしてその日は帰りました。
要するに、母の暮らしは丁寧なのだろうと
思うのです。
もちろん、煮方、味付けとテクニックも
あるでしょうけれど、じっくり煮豆を
作る気持ちもあるということ。
私はついせかせかしてしまう。
そして、ふと思い出してみると、豆を煮ている時の母は、レース編みをしたり、本を読んだり、テレビを見たり。
自分が休憩できる時間を使ってじっくり煮ているのかもしれません。
そんなゆっくりと丁寧な暮らしに憧れる
ようになったのは、ある程度年齢を
重ねてからのこと。
それは、それまで忙しく働いて、遊んで、
とにかく動き回っていたことが楽しかった
年齢を過ぎて、ふと自分の今の暮らしを
見つめたからなんでしょうね。
若いときは煮豆を作ることなんて興味もなかったですしね。
きっと母も若い時から煮豆を作るのが得意だったわけではなく、暮らしの中で丁寧にすることを覚えていったのかな。
ちなみに、母の姉、私の叔母は、とても
せっかちで、そして元気で、自営でまだまだ仕事を頑張っている人です。
以前、私は叔母に似ているところがあると
言う人がいました。
私はピンとこなかったのですが、
もしそうなら、私は母のような煮豆を
ゆっくりと作るような暮らしは
しないタイプなのかしら?
いつまでも現役で仕事を頑張る叔母もまた
ステキです。
そんな叔母に似てるのもかっこいいけれど、
私は欲張りだから、いつまでも仕事を
頑張りながら、でもゆったりと暮らしたい。
2人のいいとこ取りで私の暮らしを作って
いけたらと思っています。