とてもいい笑顔‥。太陽のような笑顔だった。

 

  赤月はどこに座ろうか2、3秒迷ってから2席ある四角いテーブルに座った。1人なのであまり大きいテーブルは使いたく無いという気遣いから生じたわけである。 注文は何にしようか。コーヒーだけでは店員さんに、1人なのにコーヒーだけで粘る客だと思われてしまう。そんな気がしたのでケーキセットを注文する事にした。郷に入っては郷に従えというやつだ。 (ナンパも出来なかった‥。)

 

  もう死のうか‥? そんな思いがチラと浮かんだ。僕が生きていても何にも生み出す事なんてない。僕が生きていて得する事なんて微塵も無い。だったらいっそのこと死んでしまった方がいいのではないか。いやいやもう自殺はしないと決意したんだ‥。でも、もう僕は役に立たない。生きてたってしょうがないんだ。だいたい現代社会に合わないんだ。 もう努力することも疲れた。ならいっそのこと自由なまま死のう。 乞食めいた感覚の考えかもしれないが、もういい。 なんて‥本当にあるんだろうか。何も実感のない間々考えている。僕は役に立たない。彼奴の代わりにもならないんだ。 

 

 ケーキとコーヒーがやってきた。

 

 あの"おかみさん"のような人はどうして此処で働いているんだろうか。何が大事でそんなにしきりに一生懸命になっているんだろうか。 僕は何がしたいんだろうか。 僕は何を欲しているんだろうか。 テーブルに肘を付いた姿勢でなんとも無く想念を追いかけ続けて居た。 何か出来ることはあるんだろうか。 僕に出来ること?僕は何か得意なことでもあるのか?何も無いじゃないか。僕はやりたいことでもあるのか?何も無い。何もやりたいことなんてない。僕はただ安らかに生きたいだけなんだ。それだけでいい。何も要らない。でもこの世界は何をそんなに求めなくちゃならないんだ。何を必死に"生きなくちゃ"ならないんだ。それは強制ですか?僕は自由に生きたいんだ。何にも煩わずに静かにゆっくりと健やかに‥。それだけが望みなんだ。どうして求めなくちゃならないんだ。僕は悪魔にでもならなきゃイケナイってのか?そんな生き方ごめんだ。もう、やりたい事をやりたい。ずうっとベッドのうえに居て休んでいたい。 

 

 

 

続く