仕事を終えて、外に出る。
午後から降り出した雨。
折りたたみ傘を出していた時、入れ違いに雨に濡れて駆け込んで来た人。
結構、びっしょりで。
雨で濡れた髪をかきあげる。
雫が頬を伝って落ちて、手で顎を拭く。
あの、よかったらどうぞ。
雨に濡れるかもと思って、傘と一緒に鞄に入れていたタオルを差し出す。
僕に気づいたユノさんが、少し躊躇しながら、
、、、ありがと、ございます、
と、言って受け取った。
手にしていた鞄を床に置き、頭をクシャクシャにしながら、タオルで拭く。
顔を拭いて、改めて僕を見た。
、タオル、洗って返すから、、、えっと、
M社のシム・チャンミンと申します。
、、、何か、この間から、すいません。
いいえ、
お礼に、今度会ったらコーヒーでも?
別の、
はい?
別のお礼をお願いしてもいいですか?
俺に出来る事なら構いませんよ。
じゃあ、キス、してくれますか?
ユノさんが目を見開いて驚く。
僕も、僕自身に驚いて。
でも、言った。
言ってしまった言葉。
僕の願い。
叶えられる?ユノさん、、、。