ユノさん。
振り向くと、そこにはユリが立っていた。二人でひと気の無い廊下へ出る。
個展があるって知って、もしかしてユノさんも来てるんじゃないかと思ったの。
そう。
私と、付き合って。
えっ?
ユノさん、私と付き合ってちょうだい。
何、を、言って、
私達は家族を失った。父と母は息子を無くしたのよ。私と結婚して、兄の代わりに息子になってちょうだい。
そんな事、出来るわけ、
兄がいたから言えなかったけど、私、前からユノさんの事好きだったの。
…。
意地悪な事言ってるってわかってる。兄と私は一卵性の双子だもの、顔はそっくり。私を兄だと思って愛せない?それとも、女は愛せない?
そういう、問題じゃ、ない。俺は、あいつが、男だから、愛した、訳じゃない。男とか、女とか、関係ない。あいつだから、愛したんだ。
じゃ、女の私でも大丈夫ね。
言った、だろ。あいつだから、愛せたと。
ユリがいきなりキスしてきた。思わず押し戻す。
な、なんて事を、
私、諦めないから。