車を始めて運転したとき、
世の中の人はよくこんなものに気軽に乗っているな、と思った。
車は、いわば良心の世界の乗り物だ。
信号なんていくらでも無視できるけど、ほとんどの人はしない。
交差点の右折など、何十メートルも離れている対向車となんとなくテレパシーを交わして、
うまい具合にハンドルを切るわけなんだから、ちょっとした軽業だ。
でも、世の中には少しくらいの人格障害の人もいれば、
常識が常識とは通用しない人もいるし、
白内障で実は目が見えにくかったり、
四六時中イライラしている人も、おっちょこちょいな人もいるわけで、
車の事故は日々起こっているのだけれど。
だから、そんな道路を、今日も一日何の事故もなく、
むしろ、道路を横切りたがっていることを察知して
道を譲ってくれたりなんかもして、
無事故無違反で運転できたこと、
ありがたいと思う。
あの、鉄の塊同志が、意思をもって移動しているって・・・、
これは以心伝心できる人間の力です。
ストレスの多い日々だけど、
車社会が(車以外もか)ひとの心でうまく成り立っている世の中があるということは、
まだまだ幸せな人生を送れているんだと思う。