068宮原家の系図さがし

平成30713日 宮原秀範

肥薩線鉄道運動日記(渋谷礼)①

 

前回の『宮原公継伝』でも書きましたが、渋谷礼氏が県議や国会議員の時にライフワークとしてとりくまれてきた事を紹介します。

 

肥薩線「日本の20世紀遺産20選」に選定

今回人吉市や、廻りの団体の御支援で肥薩線が日本の20世紀遺産に選定され、とてもうれしく思います。(平成301月人吉市広報誌より)

 

 八代駅から人吉駅、鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶローカル線「肥薩線」100年以上の歴史をもつ同鉄道八代駅から人吉駅、鹿児島県霧島市の隼人駅を結ぶローカル線「肥薩線」。

100年以上の歴史をもつ同鉄道が平成29128日、後世に残したい「日本の世紀遺産20

選」に選定されました。

 

 「日本の20世紀遺産20選」は、世界文化遺産の審査などに関わる国際記念物遺跡会議( ICOMOSイコモス)の日本国内委員会が「近現代の文化遺産に再び注目してもらいたい」と選定。

選定基準は20世紀に新たに登場したものや、進化・展開したもの、歴史上の事件を象徴したものなどです。

 肥線は、20世紀に海外技術を応用し独自の技術として展開したことが認められ選定されました。人吉機関車庫や矢岳第一トンネルをはじめ、多くの施設が「日本の2020選」の主な構成資産となっています。

 肥線は、100年以上の年月を経た今でも、人と歴史をつなぐ架け橋として運行を続けています

★肥薩線の価値

明治42(1909年)、肥線の開業で青森~鹿児島を縦断する鉄道が完成しました。肥線は日本の鉄道史に残る路線となり、熊本・宮崎・鹿児島の南九州3県を貫く産業基盤として日本の急速な近代化に大きく貢献します。建設して20年ほどで主要路線からはずれましたが、駅舎や橋、トンネルなどが今も当初の姿のまま活躍しています。

 明治時代、最先端の鉄道・土木技術で造られた肥線。日本初での併用や、険しい山々と多くの河川を越えるために造られた橋やトンネルなど、肥線はまさに「生きた鉄道博物館」なのです。

 八代~人吉間の「川線」では日本三急流の球磨川の眺めを、人吉~吉松間の「山線」では急勾配な山岳地帯を登った先で日本三大車窓を望むことができます。

 

★肥薩線の主な構成資産

球磨川第一橋梁(八代市)第二球磨川橋梁(球磨郡球磨村)人吉機関車庫(人吉市)大畑ループ線・スイッチバック(人吉市)矢岳第一トンネル(宮崎県えびの市)大隅横川駅(鹿児島県霧島市)嘉例川駅(鹿児島県霧島市)

 

  畑駅周辺では日本で唯一ループ線とスイッチバックを同時に体験できる

 

  3年以上の月日をかけて掘られた肥薩線最長の矢岳第一トンネル。全長は約2千㍍

 

  球磨川第一橋梁 

  第二球磨川橋梁はアメリカの鉄道技術を採用

 

★日本の近代化に貢献した肥薩線

 今回の選定までに、平成25年から20世紀国内学術委員会の建築・土木専門家10人と議論を重ねてきました。

選定基準は、世界文化遺産の登録基準に沿っています。

 肥線は、明治時代末に鹿児島本線として建設。欧米の技術を独自に発展させた建設当時の技術や過程を今でも見ることができます。

車窓からの美しい景観も評価できる点です。線路が敷設された土地は、敷設が難しいとされる山と川に囲まれた日本の地形の縮図のような場所。厳しい地形に敷設されている肥線は、トンネルや橋が駆使された明治期の近代化を物語る歴史的証拠の一つです。

鉄道遺産として日本で一番よく保存されているのが肥線と言えるでしょう。

 今回選定されたことは、肥線の歴史的・文化的価値が改めて認められたということです。その価値を所有者や沿線自治体、住民がうまく生かし、後世に伝えていくことを望みます。