「名前だけを貸して」と言われ、友人や家族のために連帯保証人になり、生活破綻に追い込まれることが多々あります。また、自殺の大きな要因ともなりえます。
連帯保証は、不動産などの担保のない人が融資を受ける際、第三者が連帯して債務を保証する制度であり、連帯保証人は債務者と同様の返済義務を負う点で保証人よりも重い責任があるでしょう。
にも関わらず、契約に際しての説明が充分に行われず必要な情報も提供されず、いきなり多額の返済を迫られるケースが多くある。名前だけを貸したはずなのに、自分がお金を借りたかのように返済していかなければならないのです。
このような現状をふまえ、国は、民法の債権関係条文の見直しを進めている法制審議会民法(債権関係)部会第10回会議(平成22年6月8日開催)の中で、民法改正の論点として検討しています。以下は「民法(債権関係)の改正に関する検討事項(6)」の抜粋です。
第2 契約交渉段階
3 契約締結過程における説明義務・情報提供義務
現代においては、当事者間に情報量・情報処理能力に格差がある場合も 少なくないこと等を踏まえ、契約締結過程における信義則上の説明義務又は情報提供義務違反を理由とする損害賠償責任についての規律を設けるべきであるという考え方があるが、どのように考えるか。
民法改正時期は未定だが、平成22年2月5日の政府の自殺総合対策会議決定の中でも連帯保証制度を含む保証制度の在り方を検討している。以下抜粋である。
4.制度・慣行にまで踏み込んだ対策に向けて検討する
連帯保証制度を含む保証制度を対象として、保証人の負担等に配慮しつつ、円滑な資金調達等も含めた幅広い観点から、その在り方を検討します。
【法務省及び金融庁】
連帯保証人制度につき、国をあげて検討している今、よりよき法改正が行われる未来を信じて、日々精進していきたいと思います。
ウカイ&パートナーズ法律事務所
弁護士 鵜 飼 大