富士川に架かり県道10号線を通す。
橋のスケールの割にはトラスの部材が細くできていて、スマートな印象を受ける。





カンチレバートラスの形は、とても独特。
しかし、都内はもとより関東ではすでに見ることができない。
だから、ちょっとそこまで・・・という感覚ではなかなかお目にかかれない。
2枚目がカンチレバーである片持ち梁と中央の吊桁接合部分。
割とシンプルな接合で、これで吊桁は落ちないのか?と思ってしまうほど。
日本の河川もかつては船舶運送が盛んであったため、橋の場所によっては橋桁の間隔を大きく取る必要があった。さらに長大な橋を架けるとなると、トラス構造を用いることが多く、この形式でかけられることが多かった。
主に1920~50年代、昭和中期まで架橋が続いたものの、その後は橋梁の建設の技術進歩により、吊り橋や大型のワーレントラス橋を使用するようになっていった。
富士川は日本三大急流と言われ、雨で増水すると渡船で超えることが困難だったそうだ。そのため、簡単な吊り橋で架橋された箇所もあった。
この富原橋も前身は吊り橋だったが、より安定的な通行を実現するため、戦後に現在の橋になった。
なお、歩道が無いため、徒歩で渡るのは十分注意が必要。
静岡県富士市/富士宮市
形式:2径間カンチレバーワーレントラス橋
橋長:200m
幅員:6m
竣工:1955年(昭和30年)
(初代吊り橋は1930年)