てくてく撮影日記

てくてく撮影日記

投稿内容は写真を主体にしつつ、ブラブラさんぽしていて発見したことも、くまなくチェックしていきますよ。

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今度はまた飛んで、九州の橋。

日本三大奇勝の一つ、耶馬渓を代表する青の洞門の近所にある。

その名の通り、近所にある羅漢寺へと続く参道に位置する橋だったが、現在はそのメインルートからは外れているようだ。

 

橋長89メートルは石造の橋としては長い方で、アーチの高さに対して径間(橋脚間の距離)を大きく取っているため、

アーチの円が平たく見えるのが特徴とされている。

石造りでこのような美しいアーチを100年近く前に描けたことにただ感激するばかり。

周辺には、同じような作りの橋もある。

九州で石造アーチの架橋が盛んだったことは、橋の歴史を知る上で大変興味深い。

現在でも多くの石造りアーチが残る九州地方だが、

その一方で本州以東では極めて少数しか残っていない。

 

さて、行ってみて初めて知ったが、耶馬渓は、景観が連続しているのではなく、

山国川流域を中心に、奇岩や断崖が所々に点在していて、その総称ともいえる。

ちなみに各地には、耶馬渓の知名度にあやかってか、○○の耶馬渓と言われる渓谷、峡谷が多数存在する。

栃木県の箒川の途中に造られた塩原ダムによって誕生した塩原湖に架かる橋である。

那須塩原駅や西那須野インターチェンジからもアクセスしやすい場所にある。

 

この吊り橋は、交通用の通路としての機能は無い観光目的の橋で、他の有名観光地にも似たような吊り橋は数多くある。渡る際には維持管理費用を徴収される。

対岸には散策路が広がっているが、塩原ダムの建屋以外に目立った施設は無く、細い道の先は一般道へ通じている。

塩原ダムの筐体を見ようと細い道を少し進んだが、道沿いは木々が生い茂り、その姿はほとんど見えなかった。

ダムの案内板は質素な印象である。

吊り橋は、横に張ったワイヤーロープで強度を確保しており、補強桁を使っていない無補剛桁歩道吊橋として本州一の長さである。

春は新緑、秋は紅葉を存分にその雰囲気を楽しめそうなところであるが、行ったのは6年前の3月で、ほぼ冬の様相。

アクセスが良い事や、近隣には塩原温泉郷、足を延ばせば鬼怒川温泉、那須高原と合わせて訪れることもできそうで、人気の観光スポットになっているようだ。

 

この吊り橋の架かる箒川(ほうきがわ)は、塩原ダムを抜けると那須野が原の南側の際に出ていくが、那須地方は全国一の広さと言われる複合扇状地で、もともと水利を得ることが難しく、かつては荒野が広がっていたそうだ。

明治時代に、那須疎水の開削で広大な農地へと姿を変え、酪農や稲作が盛んになり、現在でも関東有数の食の源である。

 

余談だが、この1年後の夏に近隣(といっても直線距離で20km以上離れている)の那須岳に登山チャレンジしたものの、雷雨で断念することになった。

今回は福島県の橋から。

1枚目の写真は、上から新宮下橋(国道252号線)、大谷川橋梁(JR只見線)、福島県道237号線(宮下橋)で、

地元では、みやしたアーチ三兄弟として親しまれている。

 

 

最も古いのは只見線の橋(1枚目写真の真ん中)。

当時のRCコンクリートアーチ橋としては日本で最大の支間距離とのことで、

山奥を走るローカル線であっても当時の技術をフルに活かしていると想像でき、大変興味深い。

 

撮影ポイント付近は、三島町の中心地でJR只見線の会津宮下駅から徒歩でも行ける。

2枚目は視点を変えて宮下橋の袂から、3枚目は宮下橋の上から、2つの橋を撮影したもの。

4枚目の写真は、このポイントを知る数年前に只見線の車内から新宮下橋を見上げるように撮影したものだから、背景の木々の色がだいぶ違う。

3つとも、樹木で少し遮られているので、スケールよりも小さく見えるが、アーチ支間(アーチの両端の距離)はとても長く、3つ並ぶ姿は迫力があって楽しい。

 

2011年の豪雨で橋梁の落橋等が相次ぎ、線路が寸断されてしまった只見線。

この辺りは運転を再開している区間だが、現在全線復旧に向けて、会津川口駅~只見駅の区間では工事が進められている。

現在走っている区間も含め、車窓からの景色が美しいことでよく知られる。

全線通すと5時間程度かかるため、日帰り旅行はなかなかきつく、ましてや関西からはほぼ不可能だが、開通して落ち着きを取り戻す頃に、また沿線を訪れたい。

 

福島県大沼郡三島町

(1枚目写真上から)

■新宮下橋

形式:上路式鋼製ローゼ橋

橋長:140m

幅員:11.5m

竣工:1989年(平成元年)

 

■大谷川橋梁

形式:上路式開腹RCコンクリートアーチ橋

橋長:80.7m

幅員:単線

竣工:1939年(昭和14年)

 

■宮下橋

形式:上路式開腹RCコンクリートアーチ橋

橋長:73.7m

幅員:6m

竣工:1957年(昭和32年)

京都の繁華街河原町、祇園のすぐそば、鴨川に架かる橋。

 

 

 

 

京都の中心部は、狭い路地と車の多さもあって少し窮屈に感じられる時がある。

なので、烏丸の方から来てこの橋を渡ると、急に視界が広がり、祇園の奥の山々や河原の緑もあって、

伸び伸びとした雰囲気を感じられる。

そのギャップで、京都に来たことを体感できるのが鴨川周辺だと勝手に思っている。

ここの写真は7年前のもので、今年の年初に近くを通った時は川岸の遊歩道が整備され、賑やかになっていたと思う。

 

この地に初めて架橋されたのは平安時代。

明治時代には木橋、のちにトラス鉄橋として生まれ変わり、今からおよそ100年前の1911年に、美しいコンクリートアーチ橋に生まれ変わった。

しかし、1935年に鴨川が氾濫する水害が発生し、その際河川改修を行うために新しく架け替えられたのが現在の橋である。

 

戦時中は金属供出のため、高欄が撤去され木製のもので代用していたが、その後1965年の道路改良の際に金属製のものに付け替えている。この高欄は、市内在住の一般の方のデザインを元に作成されたとのこと。

また、写真では小さくなってしまうが、高欄の接続部分はボルトの頭を隠すために、御所車をイメージした青銅製のかぶせ物(写真では金色に見える)がされている。

これらの情報は、京都市情報館のWEBサイトで詳しく見ることができる。

 

隣の三条大橋や五条大橋が有名すぎて、長い歴史があるものの地味な存在に感じられるが、

それでも都の歴史を支えてきた存在にふさわしいよう、工夫が施されているのは興味深い。

 

京都府京都市中京区/下京区/東山区

形式:3径間連続鋼製プレートガーダー橋

橋長:65m

幅員:25m

竣工:1942年(昭和17年)

旅行気分でいこうと、過去に訪れた観光地から。

 

千歳橋は、箱根七湯の一つ、塔ノ沢温泉の入口に架かる国道1号/138号線を通す橋。

 

 

 

 

 

メインで訪れたのは2014年の夏の雨の日。

探したら、晴れている時の写真も1枚あったので入れてみたが、こちらの方が綺麗に見える。

 

今年で架橋から90年を迎えるが、現役かつ通す道路も重要な幹線道路である。

箱根駅伝の選手もここを通るので、見たことある人も多いのではないだろうか。

下路式のコンクリートアーチは、近年新たに架けられることがほとんど無く、徐々に数を減らしている。

鋼製とは違うデザインもあって独特の雰囲気を持ち、印象に残りやすい形式の一つだと思う。

アーチの端に備え付けられた行灯も楽しい。

 

そんな比較的少ない形式だが、川の下流に同じ形式の旭橋がある。

この近辺では有名な「函嶺洞門」と、兄弟のような存在である「旭橋」と共に、2015年に国の重要文化財に指定されている。

架橋当時、これら3点が集中してここに建造され、地域に与えるインパクトはとても大きかったのではないかと想像する。

国道は、この2つの橋を抜けて西へ少し進むと、急に高度を増していき、本格的な山道に入っていく

 

ところで、この形は全国的にも長野県に多く架橋されているが、それ以外の地域ではごく少数だけ。

首都圏でも他の地域では現在見られないと思う。

長野県だけ多い理由はいろいろ調べたけどまたの機会に。。

 

神奈川県足柄下郡箱根町

形式:下路式鉄筋コンクリートアーチ橋

橋長:25.5m

幅員:14.4m

竣工:1930年(昭和5年)

2015年重要文化財指定

かなり久しぶりの投稿になりました。

ゆる橋シリーズは、65の後、66から70はinstagramから投稿をしていました。

しかし、一眼レフカメラで撮ることも多かったので、iPhoneに写真を取込むのもあまり効率が良くなく、

投稿も文字を多く入れるのには向いてないように感じているうちに、投稿が滞っていました。

 

今年2月末から外出自粛が続いていて、週末やゴールデンウィークもカメラを手にする機会はほとんどありませんでした。

 

そこで、少しでも旅行気分や外の景色を眺めるつもりで、これまで撮ってきたものを改めて整理して、

またこのシリーズを再スタートすることにしました。

今後もしばらくは、遠方へ外出することが以前のようにできないことが考えられますが、

このブログを訪れていただいた方が、少しでも外に出た気分を味わってもらえるようであれば幸いです。

橋をずっと紹介するだけなので、必ずしも旅行で行くような所ばかりではありませんが。。。

 

アメブロの記録用に66から70の橋はこちらでダイジェスト版として写真を紹介します。

instagram/facebookではすでに紹介しているものです。

 

66回 桜宮橋と新桜宮橋(大阪府大阪市)

 

67回 水晶橋(大阪府大阪市)

 

68回 響橋(神奈川県横浜市)

 

69回 新東海橋(東京都品川区)

 

70回 中央本線新桂川橋梁(山梨県大月市)

 

小目沼橋は、茨城県の小貝川に架かる橋。

 

橋幅は狭く1.5mほどで、欄干も無いため、まるで公園の池に架かる橋のような風情だが、立派な一級河川に架かる橋である。

架橋当時、両岸の下小目村と平沼村を結ぶために作られたことから、この名前がついている。

 

木製の橋としては全国屈指の長さでもあり、趣のあるその風景は、市内にあるワープステーション江戸と同様に、映画やドラマの撮影に度々使用されるほど。

 

生活道路に架かる橋として木製の橋は、全国的にも数を減らしていいるため、21世紀の今、大変貴重な存在である。

 

茨城県つくばみらい市

形式:木製桁橋

橋長:約60m

幅員:約1.5m

竣工:1956年(昭和31年)

※橋のデータは正確な情報が得られないため目測による

高輪架道橋は、東京都にある橋。

JR東海道本線等が港区の区道を渡る。

ここは数多くの路線が並行して走り、JRの車庫があるから、何本もの線路がこの橋には載っている。

それに比較して、跨ぐ道はというと、幅員わずか5,6メートル程。

とてつもなく幅が広くて短い橋ということになるけれど、これは見た目トンネル。

 

しかし看板はちゃんと「橋」を名乗る。

 

道は東向きの一方通行で、車の制限高は1.5メートル。

一般車道としては全国屈指の高さ制限のはず。

橋桁はかなり低く、距離が長いから橋の下は相当な圧迫感がある。

 

タクシーが行灯を破損してしまうことが過去にあったため、この架道橋通過のために、先端をカットした行灯を載せたタクシーが実際にある。

 

かつてここは運河だったらしいが、戦後に埋立てられた。

橋の東側にあたる港南地区は、かつて工場がメインだったが、今となっては住民も多く、品川駅の東口に企業も多数進出した。

そのせいか、自転車やタクシーの通りは多く感じた。

 

この架道橋も2020年に山手・京浜東北線に新駅ができると、無くなってしまうのではないか言われている。

楽しみたい方は今のうちに。

 

東京都港区

形式:プレートガーダー橋他

橋長:6m

幅員:約210m(公式な記録は不明)

竣工:不明

大栄橋は、江東区にある大横川に架かる橋。

大横川と仙台堀川との交差地点付近にある。

 

 

大栄橋は、過去に紹介をした西深川橋に近い形態。長さや上弦の形が少し違うが、江東区内ではこれと同じような形をした橋がまだまだある。

シックな装いの焦げ茶色は、最近の新しい橋ではよく見られるものの、重厚な古めかしいトラスとのコンビは割と少ないかも。

 

この橋も関東大震災の復興橋の一つ。

このブログでも何度となく登場する復興橋だが、この程度の規模の橋は他にもわんさかあるわけで、当時はフル回転で作業が進められたのではないだろうかと思う。

 

橋の北側、大横川沿いは桜並木になっていて、シーズンともなれば、スカイツリーと共に21世紀の下町の風景を演出する。

 

東京都江東区

形式:1径間下路式鋼製ワーレントラス橋
橋長:37.5m
幅員:13.4m
竣工:1929年(昭和4年) (1981年に小規模の改修)

尾竹橋は東京都の足立区と荒川区の境、隅田川に架かる橋。
橋の名を冠した尾竹橋通を通す。

 

 

現在の橋は2代目。

橋の名前は、橋が架かる前にあった渡しの名前に由来するそうだ。

 

付近は隅田川と荒川が接近しており、北岸は尾竹橋通りを進むとすぐに荒川に突き当たる。

下流は約2.5キロメートル離れた千住大橋まで橋が無いことや、通りを南下すると上野方面へはほぼ直線ルートで行けることもあるせいか、通りの交通量は終日多い印象がある。

町屋駅から徒歩10分程度の距離。
路線バスは都営バスが2系統走行していて、北千住駅や浅草寿町まで直通で行ける。

1963年まで、付近には千住火力発電所が橋があり、お化け煙突の名でよく知られていた。母親もよく知っていたので当時はかなり有名だったのだと思う。

 

アーチと路面を結ぶケーブルの取り付け部にはヒンジがついていて、これは他のアーチ橋ではあまり見られない気がする。
軟弱地盤が故に、下町一帯は護岸や建築、地下水による地盤の変位が大きい地域。
個人主観だが、地盤が多少上下しても橋の角度や強度に大きな支障がないようにヒンジを入れてわずかな歪みを許容しているのではないだろうか。

 

ちなみに地盤の変位と下町の歴史は、地域の橋だけでなく人々の生活にも影響を及ぼしていて、東京の下町を散歩する際には欠かせないマメ知識になると思う。

 

東京都足立区千住桜木/荒川区町屋
形式:3径間ローゼ橋
橋長:130.3m
幅員:15.0m
竣工:1992年(平成4年)