久しぶりに完走した韓ドラが素晴らしい作品で嬉しい。
初恋ものと思っていたら、家族愛や友情、人との繋がりを押し付けがましさなしに描いた名作でした!
聴覚障害者の両親のもとに生まれた健聴者"CODA"のウンギョン(リョウン)が過去にタイムスリップして高校生の父親イチャン(チェ・ヒョヌク)に出会い、父親が音を失う原因になった事故を防ごうと奔走するわけですが、
これって(同じ健聴者である視聴者として)本音ではもちろんわかるんですけど、ちょっとモヤッとしませんか。ウンギョンが生まれたときから耳の聞こえない父親ですから、障害も父親の一部で、それを否定するような……
と思っていたら、ウンギョンの気持ちをさらっと告白させる脚本が見事でした。CODAとして生きてきたウンギョンの葛藤は、簡単に「本音」といった言葉で片付けられるものじゃなくて。
そして、自由に歌い踊るイチャンのキラキラと輝く姿を見たら、誰だって事故を防ぎたい、ずっと歌わせてあげたいと願ってしまう。
なので、後半はその事故が起こるんじゃないかと思うたびに、見進めるのがツラかったほど。それ以外は、16話があっという間でした。
リョウンは笑顔も涙も表情が豊かで美しくて、初めて魅力を実感。でも、やっぱり私としては、チェ・ヒョヌク!
ウンギョンだけでなく、同級生の男子たちが惚れる(一肌脱ぎたくなる)生来のリーダージップを自然に体現してました。で、何気にツボだったのが、そんな男気あふれるイチャンの「オモ」。
口癖のようにいうんですが、その口調が完全におばちゃん。ハルモニに育てられて、ハルモニのオモが身についちゃったのね〜と微笑ましかったり(と私は思ったんですが、どうなんでしょう?)。
あと、下宿の大学生バルサンがよかった。あの長髪とホラ吹きで、てっきり韓ドラにありがちな「ネタ」キャラかと思っていたら
唯一、気になったのがソル・イナ。「明日も晴れ」も「愛はビューティフル」も完走しているくらいなので、キライな俳優さんじゃないんです。
でも、さすがに高校生役で出ずっぱりはツライ。「社内お見合い」の後ですしね。周りのキャストに比べると、どうしてもフレッシュさに欠けてしまう。
このベテラン感が必ずしもマイナスという役柄ではないとはいえ、1人くらいは名のあるキャストをという大人の事情?とか雑念がよぎってしまったのが、個人的には残念でした。

