「涙の女王」以外にそそられるものがないまま、1ヶ月だけとDisney+を契約したのが約2週間前。


元を取らなきゃ精神を発揮して(関西人の悲しい性ですね)、「愛だと言って」の後は、「ムービング」と「悪鬼」を完走しました。残り期間で後2本は見たいと思う私は、我ながら貧乏性です。


どちらも評判が高く、いつか見なければと思っていた作品。なので、感想ブログなど読まずに、できる限り情報を遮断していました。


「ムービング」は、ハン・ヒョジュが(なんと!)母親役を演る超能力もの、ということしか知らずに見たので、まず豪華キャストにびっくり。チョ・インソンまで登場したときは、「えっ」て声が出ちゃいました。


お話の方は、アメリカドラマ好きだった頃に、超能力高校生たちが登場する「ヒーローズ」というドラマを見ていたせいか、ちょつと既視感がありましたが、アクションシーンの「肉弾戦」感は、さすが韓国の作品。


それに、チ・ジニの「サバイバー」を見たときも感じましたが、朝鮮半島の分断国家という事情が、とんでもストーリーにも(米国か舞台のドラマにはない)なんともいえない説得力を与えるんです。


親パートの恋愛部分がありきたりな展開のわりに長いのが少し退屈でしたが、子どもパートは主役カップルのいかにもな初恋模様も可愛らしく、特にハン・ヒョジュの息子ボンソクを演じたイ・ジョンハが魅力的でした。


ちょっと高めの声でおっとり話す感じや、大きな体でちょこちょこ走る様子は、普通ならどんくさく感じるところでしょうが、なんとも愛らしいんです。


でも、以前の出演作「新米史官ク・ヘリョン」も「それでも僕らは走り続ける」も「わかっていても」も見ていますが、全然記憶にありません(不覚)。本人の写真を見るとすっきり美青年なので、「ムービング」のときとは見た目が全然違うのかな。



「悪鬼」は、しっかり怖かった(長い黒髪で恐怖心を煽るのは、ずるい気もしますが)。


オカルトって、見る側は霊とか祟りとかあるはずないという前提で見てますよね(少なくとも私はそうです)。そこを演出と役者陣の演技の力で怖がらせるわけです。2時間程度の映画なら勢いで押し切れるでしょうが、ドラマとなると、1話ごとに日常に戻る視聴者をその都度ドラマの世界に引き戻すのって、かなり難しいと思います。


その上、「悪鬼」はストーリーが複雑過ぎて、どういう仕組みで悪鬼となって、誰を祟って、どうすれば退治できるのか、最後までよくわからかったのですが、それが気にならないほどのキム・テリの熱演でした。


でも、それ以上に私が気に入ったのが、キム・テリの高校の先輩で刑事役のホン・ギョンです。彼を見たくて、最後まで見切った面もあり。


線が細くて、目鼻立ちも派手ではなく、イケメンと思うときもあれば、ただの地味顔に見えたり。男っぽい魅力があるかと思えば、中性的な感じもするし。この揺らぐ感じが味わい深い。


彼も、私が大好きな「あなたが眠っている間に」と「ただ愛する仲」に出ていたそうなんですが、こちらもまったく思い当たりません。


デビュー作から大役や主演という俳優も少なくない一方で、下積み時代から徐々に大きな役がつくのを見守るのも、ドラマ好きの醍醐味ですよね。


残念ながら、私は二人の端役時代を見落としてしまいましたが、これからの活躍に注目しています(ホン・ギョンの「弱いヒーロークラス1」を見るために、次はHuluを1ヶ月限定で契約するつもり爆笑)。