近所のシネコンの一番小さなスクリーンの夜上映でしたが、なかなかの入り。男性客もちらほらいて、アカデミー賞の作品賞ノミネート効果でしょうか。私は、もちろんユ・テオ目当てです
12歳のときの初恋が、12年おきに束の間蘇るストーリー。
韓ドラでは、例えば「ショッピング王ルイ」のように、子どものときに出会った二人は、大人になって再会し、恋に落ちて結ばれるのが定番。あるいは、「太陽を抱く月」のように、初恋を忘れられずにずっとその人だけを思い続けます。ファンタジーの美しさ、でしょうか。
でも、こちらは映画、それも韓国人が主役とは言え、アメリカ映画ですから、初恋の相手のことをすっかり忘れていたり、恋人ができていたり、結婚してたりします。人生のリアルですよね。
けれど、何も起こらなかったけれど確実に存在した想いを見届ける美しい映画でもあります。
映画については、すでに色々なところに感想やレビューがあるので、私は、大好きなユ・テオについて。
この映画のユ・テオは、分厚いんです。これまで見たどのユ・テオよりひと回り半くらい身体が厚い。脱いだらすごいんです方向ではなく、むっちり感のある体つきに。なぜ?
美しさを薄めて、平凡な男を表現するため(ごくごく普通の会社員役です)? あるいは、24歳から36歳を演じるので、身体の厚みで年齢を表現しているのかな?
でも、やはり美しさは隠せませんし(12年ぶりにビデオ通話で再会して、心が浮き立つには相手がイケメンになっていないと!)、愛くるしさというか一種のイノセンスがある顔立ちは、初恋を忘れられないままプラトニックにヒロインを想い続けるこの役にリアリティを与えていました。
だって、一歩間違えたら諦めの悪い執着男ともいえる役柄ですから。
ユ・テオがインディーズのアメリカ映画(正確には米韓合作)に出ると知ったとき、流暢な英語を買われてキャスティングされたのかと思いました(チェ・ウシクが候補という記事もありましたし)が、なんと、拙い英語をたどたどしく話す役でした。
その点も含めて、この映画でカッコいいユ・テオを期待すると、ちょっとずつ期待はずれ。でも、この作品がキャリアブレイクになって、これまで以上に活躍が期待できそうです。だって、こんなに素敵な人ですから!
映画の話に戻れば、ヒロインのノラを演じるグレタ・リーが素晴らしかったです。人生の目標(野心)があって、意思が強くて、理知的で、幼馴染のヘソンを通じて自分がどんな人間で、人生に何を一番欲しているかを見つめ直す女性を魅力的に演じていました。