先日


有吉佐和子著

小説・恍惚の人


を読んで震撼した私は、若い時にレンタルビデオ屋で借りて観た事がある映画版のこの作品をポチでとして購入して観てみました。




主演

高峰秀子

森繁久弥


1973年に上映のモノクロ作品


他のキャストに


田村高廣

音羽信子

中村伸郎

吉田日出子

篠ひろ子

野村昭子

浦辺粂子


現在は召された俳優も多く、日本の、テレビ、映画、舞台の



となった名優達ばかりで、贅沢な映画です。


当時は

痴呆症老人

現在は

認知症高齢


を扱った現在の映像化であるのですが、演じている俳優陣、及び監督が原作者の


有吉佐和子ワールド


を完全に咀嚼し再現


昭和の一般家庭に、家族の中に突然、痴呆発症した老人

が出てしまったら


どうなるのか?


を、映画であるのに、キャスト陣は


大仰な芝居はせず、丁々発止と日時会話が展開されていく様は、病人を抱えた家族、親族、隣人のやりとりが


神業レベルに自然


令和の御世、現在、私は母が要介護、福祉の団体でお付き添いをさせていただく事もあり、今も昭和も


高齢者認知症


に関わる、ある意味仕方ないがデリカシーなコードに引っかかる、会話のやりとりは現在と変わっていないなと思いました。


一人でも下手くそな役者がいたら台無しになる作品


緩急

抑揚


全て演技職人よる一つのお作を完成するまで、確信犯的に役柄を意識して


心を一つにして挑んだのでは?と関心しました。


時代劇でもなく

キッタハッタな内容でもなく

ファンタジーでもない


ホームドラマ枠


の中で、若者、中年、初老、高齢者が


当時の高齢化社会の現実を表現


今現在、家族に高齢者がいる者、自分が高齢者あるいは

前期高齢者及びソノ予備軍に該当される方は


必見の逸品でありました。


伝説の俳優陣、森繁久弥の痴呆症老人の芝居については

若輩者の私がつべこべ論じる必要はないでしょう。


悲しいお話しとも思われますが


観終わった後は、なぜか、温かくも優しい気持ちにもなれたのでした。