是枝裕和監督の作品。録画していたのを視聴。つまらなかったら途中下車しようと思ったけど、最後まで観てしまいました。

是枝監督の「万引き家族」は、画面が汚すぎるし、内容も共感出来なくて、個人的にはつまらなかったけれど、この映画の方が、地味だけれど、好感を持った。しみじみとした親子愛を描いた作品なのかしら?と予想していたけど、全然違って、救いようのないダメ男の話しでした。お金が手元にあっても、ギャンブルですってしまい、養育費も払えない男に阿部寛。演技は「テルマエ・ロマエ」と同じパターン。可もなく不可もなく。ただ、とんでもないダメさだけれど、憎めない愛嬌があるのは、彼が持って生まれたものでしょうねー。探偵であるけど、小説家でもあった、この人物の複雑さや、知性のかけらは残念ながら出せていなかったなー。ダメ男の夫に愛想を尽かして、離婚する嫁に、真木よう子。ちょっと綺麗で、ちょっと男の人にもてる、ふつうの平凡な女性役が自然体で凄く上手い。彼女に対しては、エキセントリックな印象の役しか覚えてないけど、この、しっかり者で、常識人のお母さん役、新鮮だったわー。ダメな息子を愛しているけど、適当な距離をとり、つましく、淡々と生きている母親役に樹木希林。さすがの存在感だけれど、手馴れた、くさい演技って感じかしら。申し訳ないけど、、。離婚した両親の顔色を伺いながら、心の中で、また三人で暮らせる日を願う健気な少年役の男の子が凄くよかった。上品で、賢く、哀愁があって、映画の中で、唯一の清涼剤。この男の子が、この作品を格上げしている。兎に角、アル中の男性もだけれど、ギャンブルにはまった男性とは絶対かかわってはいけないという内容。かつては愛した男性、でも今は絶望し、見限った、冷たい真木よう子の表情がリアルだったな〰️。映画全般の台詞がいい。是枝監督、やっぱり脚本上手いですねー。