初日 菊之助さんの 『土蜘』 | お気楽マーニャのブログ

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銀座、歌舞伎座、團菊祭五月大歌舞伎。第二部 『暫』の次の演目は『土蜘』。菊之助さんの『土蜘』はわたしはお初。


菊五郎さんのインタビュー、お借りしました。


わたしは、吉右衛門さんの『土蜘』の素晴らしさが忘れられないけれど、娘婿の菊之助さんのこの舞台、何処かで見ていらっしゃるでしょうね。



あらすじをざっと。病の源頼光(尾上菊五郎さん)は、薬を用いても効用が表れないでいるので、諸山の名僧たちに祈祷をさせた。


頼光の寝所へ何処からともなくひとりの僧が現れる。頼光が不審を抱いて素性を尋ねると、比叡山の学僧の智籌ちちゅう(尾上菊之助さん)と名乗り、頼光の病平癒を祈念するために来た、と答える。


これを聞いた頼光が、祈祷をするように頼むと、頼光の側に控えていた太刀持ちの音若(尾上丑之助さん)が、「ご油断あるな」と進言する。実は、僧 智籌は、魔もの、 土蜘の精だったのだ。


頼光が名刀で切りつけると、智籌は、千筋の糸を繰り出して、姿を消す。やがて古墳の中から、土蜘の精が現れ、頼光の命を奪おうとするが、最後は退治されてしまうのである。


菊之助さんは、もともと美しい方だけれど、今回のお化粧がその美貌を際立たせて、神秘的で本当にお美しい。お化粧だけでなく、瞳が茶色でいらっしゃるのか、ライトの加減で鳶色にも見えて、衣装の色にピッタリ。魔ものではあるけれど、菩薩に見えたわ〰️。踊りも品格があり、日頃の精進が良くわかる。真摯に歌舞伎に向き合っていらっしゃるのねー。うっとり、うっとり。彼の本性を疑う、丑之助君、立派だったわー。持って生まれた可愛らしさと、凛とした佇まい。長く座っている間も微動だにしない。同じ役を昨年演じた、丑之助君の従兄弟、眞秀君(まほろ君、寺島しのぶさんのご長男)も立派だったけれど、いい意味でお二人ライバルとして切磋琢磨して、これからの歌舞伎を盛り上げて頂きたいわー。吉右衛門さんは、丑之助君をすごく可愛がっていらっしゃったし、お顔も吉右衛門さんに似ていらっしゃるので、出来れば将来、吉右衛門を継いでほしいけど、、。
魔物、土蜘の精になってからの舞台は、千筋の糸が度々舞って、魅力的なのだけれど、穏やかな性格の菊之助さんでは、少しおとなしい。迫力を援護射撃したのは、素晴らしい杵屋巳太郎さんたちのお三味線や、唄、笛、小鼓、大鼓、太鼓。コンサートかしら?というくらい楽しめました。ブラボー!
尾上家三代と共に共演したのは、中村家三代。お父様の中村時蔵さんは、実力もあり、お美しいけれど、息子さんの中村梅枝さんは、正統派の美人。貴重な女形さん。


梅枝さんのご子息、小川大晴君。凄く可愛かった。ほっこりしました。


素晴らしい舞台だったのに、最後の最後、唖然(;゚Д゚)とすることが。三階席から、間の抜けた、下手な女性の、「音羽屋〰️」という大向こうが。舞台を盛り上げる大向こうは、それなりの技術とベストタイミングがないと台無しなのに、今回のは酷すぎる。まして、コロナ対策で、客席だけでなく、ロビーでも会話を控えるように繰り返しボードで案内されているのに、常識がなさすぎる。わたしは聞こえなかったけれど、海老蔵さんの『暫』でもやっていたとか。こんな人は、歌舞伎愛好者でも、歌舞伎役者ファンでもない。舞台を台無しにしても、自分が目立ちたいだけ。恥ずべき行為。本当に迷惑だから、常習犯なら、劇場側も対処した方がいいんじゃないのかしら?

これからの團菊祭も楽しみだけれど、来年は、海老蔵さんと、(ひょっとしたら團十郎さん?)と菊之助さんとの同じ演目での共演お待ちしています。