映画『柔らかな頬』天海祐希さん | お気楽マーニャのブログ

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最近、新作映画『老後の資金がありません』の宣伝で、たくさんの番組に出演なさっていた天海祐希さん。爽やかで、キリッとした美女で、スタイル抜群。さっぱりしているけど、情の深さも滲み出ているお人柄も素敵。好きな女優さんである。でも、彼女の出演のドラマを観た記憶がない。彼女のヒット作はたくさんあって、5分位のぞいた程度の記憶はある。昔、昔、光源氏役をやった映画だけは観た。すごくお金をかけた映画だったけれど、本当につまんなかった。やっぱり光源氏は男性がやらないとダメね。天海祐希さんを見るのは、『徹子の部屋』か、コマーシャルか、バラエティー番組のゲストの時。いつも明るく、あえてだとおもうけど、二枚目半のキャラクターを維持していらっしゃるので、今回、WOWOWで昔の映画『柔らかな頬』を観てビックリしたわー。びっくりびっくり







三時間を越える作品ながら、はらはらドキドキ、面白くて、引き込まれて観た。
ダブル不倫相手、石山には三浦友和さん。生々しいベッドシーンもあるので、R指定になっている。
誘いをかけるのは石山だが、最初にアクションを起こすのはカスミ(天海祐希)の方。肉食系女子。



ここからは、ネタバレになりますので、ご注目を!⚠️


石山の北海道での別荘。互いの伴侶や、子供たちが、寝静まったのを確認したあと、部屋を抜け出し、物置部屋で情事にふける石山とカスミ。石山との情事に溺れきっているカスミは、あなたとこうしていられるなら、子供は捨てる!と石山に告げる。その時、外に誰かいる気配が、、、。

化粧気もなく、痩せぎすで、服装も地味なセーターや、ジーパン。女性らしさとは対極にいそうなのに、異常に男性に執着する。こういうタイプの女性いますよねー。

情事の後は素知らぬ顔で部屋に戻るカスミ。早朝、旦那の森脇(渡辺いっけい)と子供たちは散歩に行くが、昨夜の疲れからか、カスミは断って布団から出ない。暫くして森脇が血相を変えて部屋に入ってくる。ちょっと目を離した隙に、長女の友香がいなくなった 、探しても見つからない、と。石山一家、別荘地のオーナーや、管理人、地元の警察が何日も探すが、結局子供はみつからなかった。以前から、二人の関係に石山の妻は気付いていたが、この騒動の後の二人の態度で、地元警察もカスミと石山、二人の不倫関係に気がついてしまう。犯人は石山の妻か?、森脇の狂言か?
事件から、4年、カスミは石山と別れ、チラシを配ったり、公開捜査のテレビ番組に出演して情報提供を呼びかけたり、必死に探すが、子供は見つからず、犯人の手がかりもない。家庭のことより長女探しに没頭するカスミ。娘への愛情からなのは当然だけれど、それより、罪悪感から、子供を見つけて自分が楽になりたい、という気持ちが強いのでは?!と感じた。原作のカスミと天海祐希はイメージが違う、というネットの感想も読んだ。私は、原作は読んでいないので、この映画からのみ感じる人物像。

胃がんの末期で余命少ない元刑事、内海(松岡俊介)は、偶然、公開捜査番組をみて、まだ子供が見つかっていないことを知る。事件当時、管轄エリアだったので、捜査に協力したこともあるのだ。このまま死を待つより、人生の最後に子供を一緒に探そうとテレビ局に連絡をする。知らせを受けたカスミは、内海を訪ね、捜索は、
長期をなるので、ここに居させて、と北海道の内海のアパートに居座ってしまう。

不倫や、次女の育児放棄を責める森脇との心の行き違いを癒す為か、友香が死んでしまっているかも、という不安から逃れる為か、自分の罪の罪悪感に耐えられなくなった為か、体調不良で寝込む内海の布団に入り込むカスミ。やめて下さい!と拒否する内海だけれど、共に子供を探し回るうちにカスミに心を開いていく。うらぶれた、しかし、かつて有能な刑事だったというプライドを捨てていない内海を演じる松岡俊介さんが凄くいい。短時間の間に、彼を信頼するカスミが理解できる。



演技はその俳優さんの中にその要素がなければ演じられない、と私は思っている。例えば、誠実のかけらもない俳優がどんなテクニックを使っても誠実な人間をリアルには演じられない。男性に惚れ込んでしまったら、道に外れた行為をしかねない。とことん男性に依存して、尽くしてしまう、そんな怖さを自分の中にあることを天海祐希さんは知っていて、いつもバリアを張っているのではないかしら?と私は、勝手に妄想してしまうのです。

一方石山は。不倫を赦せない妻とは離婚し、友人と立ち上げた会社は倒産。 借金取りから逃げるために北海道に流れ、ホストになっている。そのホストらしからぬ真面目な態度やルックスに惚れた、若い風俗嬢のヒモとなって生活している。偶然再会したカスミと石山。ヤクザのような出で立ちに驚くカスミ。ヒモは楽でいいよー、働かなくていいし、金はくれるし、と満更でもなさそうな石山。真面目な印象の三浦友和さんだから、生きることの残酷さがリアルで怖い。真面目で誠実そうに見える人のいい加減さ、冷たさ。映画『アウトレイジ』で、最後に自分の親分を裏切るヤクザ役には、是非三浦友和さんに、と決めた監督北野たけしさんの意図がよくわかったわ。実際は素晴らしい旦那様、子煩悩なお父様の三浦さんだけれど、危険な部分もあるのでは?と想像させられる俳優さんよね。

この小説の成功の鍵は、結末だと思う。読者や、観客はモヤモヤするけど、犯人は誰です!動機はこれです!と確定してしまったら、安い二時間ドラマになってしまうけれど、モヤモヤを残すことで、登場人物たちの生き方をより考えさせられるし、余韻が残った。

子供の失踪はその家族だけではなく、関係者も巻き込む悲劇。私がいつも読んでいる、イギリス在住の日本人女性のブログに書かれていたこと。昨日はハロウィーン🎃だったけれど、以前子供たちだけでお菓子🍬を貰いに近所を歩いたら、帰り道に女の子がいなくなった事件があったとか。その為、ご自分のお子さんには旦那様を同行させたそうです。悲劇を繰り返さないように、大人は充分注意しなければ。

かなり前、街中でチラッと天海祐希さんをお見かけしたことがある。パンツスーツで颯爽と歩いていらっしゃったけど、ほぼスッピンで(もちろんおきれい)、オーラを消していて、凄く地味な印象でビックリした。感じとしてはカスミに近かったなー。
女優、天海祐希さん。これだけ実力があるんだから、これからは、好感度を捨てて、難しい汚れ役にもまた挑戦して頂きたいわー。今後、どんな役をなさるか楽しみです。