韓国ドラマ『シカゴタイプライター』 | お気楽マーニャのブログ

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オンデマンドで完走。小説家を目指す、二人の若者の盗作問題をテーマとした、ラブコメディー、と思って観始めたら、とんでもない、重い、重いテーマでした。シカゴタイプライター、とは、タイプライターと同じ音がするライフル銃の別名。本当のテーマは、1930年代、朝鮮の独立運動の悲劇。知識のない私は、どこから独立なの?とググる🔎と、日本なのねー。😱あせるあせる。だから、警察が変な日本語話してるわけねー。(あちらの俳優さんだから)。日本の植民地時代に、京城とよばれていたソウル。小説家のユ・アインと、クラブのオーナーのコ・ギョンピョは、秘密同盟を作り、日本からの独立運動をしている。彼らに協力した男性は日本の警察に追われ自決。警察から逃げた彼の娘、イム・スジョンは、彼らの同盟に加わり、女性でありながら狙撃員として活躍する。時代は変わって、2017年のソウル。ユ・アインは生まれ変わり、人気小説家になっている。タレント並みの人気者で、豪邸での優雅な生活。イム・スジョンも生まれ変わり、獣医に。学生時代は、射撃の選手で、オリンピックにも出場出来る位の腕前だったが、ある日、ピストルをかまえると、銃で人を殺した場面が浮かぶようになり、射撃をやめる。ユ・アインの小説の熱烈なファンでもある。しかし、コ・ギョンピョは、一人だけ生まれ変わることが出来ず、幽霊のまま。何故自分だけ転生出来ないのか?この幽霊が、現代の二人の前に現れたことで、二人は前世の記憶を鮮明に思い出す。そして、三人で協力しながら、京城時代の三人の青春を小説「シカゴタイプライター」と題して、書き上げるのだ。







ドラマ『トッケビ』には、及ばないけれど、小説家ユ・アインの家のインテリアデザインが素敵。住んでみたくなる。1930年代の京城の町並みも、細部まで神経の行き届いた、映画並みのセット。今にも剥がれそうなキリンビールのポスターや、ショーウインドーに飾られた、鮮やかなピンクの着物や、日本人形。日本の警察の目を誤魔化す為に、クラブの歌手になる、イム・スジョンのモダンな衣装。内容も美術もテレビドラマのレベルを越えたもの。主演のユ・アインが素晴らしい。


京城時代の小説家と2017年の小説家を見事に演じ分ける。髪型の効果かもしれないけれど、体型まで違ってみえる。実際ダイエットしたのかしら?自宅の膨大な蔵書もお飾りではなく、彼自身が一冊ずつ選んだであろうと推察される知性も感じられる。同年代の俳優の中で彼は抜きん出てるわねー。カッコいいとは思わないけど。チンピラヤクザにも見えたり、僧侶にも見えたりする、多面的な顔。年を重ねる度に益々輝く俳優さんになりそう。ヒロインのイム・スジョンは、テレビドラマに出るのは、出世作『ごめん、愛してる』から、13年ぶりだそうです。変わらぬ童顔での可愛らしさにビックリ。『ごめん、愛してる』の時は、ジソプのカッコ良さしか目に入らなかったけれど、あのドラマが面白かったのは、ヒロイン、イム・スジョンの演技力のお陰でもあったのね、と再認識。実年齢は、彼女、ユ・アインよりかなり年上らしいけれど、全く違和感がない初々しさ。30代にして、お肌ツルツル!


幽霊のリクエストで、三人でソウルの町を観光に行く。朝鮮総督府は、本当にないんですね、と驚く幽霊。そして、「僕たちは国のために、青春をささげた。多くの若者が死んだけど、ムダじゃなかった。僕も2017年を生きてみたい。今の朝鮮で生きてみたい。」と語る。それにユ・アインが応える。「いつの時代も人生は苦しいものだ。完璧な世の中はない。どの時代にも問題があり抵抗する人がいる。ぶつかり合ったり、戦ったりしながら世の中は作られていく。」そして、幽霊に「ご苦労さん。お前たちのおかげで今がある。当時の仲間にも伝えて、´感謝する、今の韓国を作ってくれて、´」と言って労う。この二人の台詞が、このドラマの脚本家が一番言いたかったことなんだろうと受けとったわ。


幼い子供に、日本語を話す警官が暴力を振るったり、独立運動がばれて、警察に捕まり、拷問を受けたり、と、日本人にとって、観るには辛いドラマである。中学や、高校で、この時代の歴史は、どのくらい詳しく習ったかしら?ちゃんと把握してないのは私だけ?複雑な日韓の歴史の積み重ねがあるから、現在も、交流がスムーズにいかないのは仕方ないことかも。少しずつ、少しずつ、いい方向に向かえばいいけどねー。