通し狂言、柳影澤蛍火(やなぎかげさわのほたるび)、柳澤騒動。歌舞伎座、昼の部。東京では46年ぶり、歌舞伎座では初となる演目。海老蔵さんにあて書きされたのではないかと思う位のはまり役。柳澤吉保。幕が開くとすぐ浪人の海老蔵さんと、許嫁の、尾上右近さんが登場!美男美女!よっ!ご両人!このカップルありですねー。お二人お美しい!貧しくても、〰見つめ合う二人は幸せそう。😃💕右近さんを見つめる海老蔵さんの笑顔が限りなく優しい。本当に右近さんのこと好きなんじゃないのー?と思っちゃう位。しかし、海老蔵さんの父親が、将軍綱吉が制定した、「生類憐れみの令」(学校で習いましたよねー。犬をいじめたり、殺したりしてはいけない、大事にしなさい!)のせいで亡くなることから、人生が別の方向に進んで行く。父親の友人(猿弥さん)のお陰で将軍綱吉に仕えることができた柳澤(海老蔵さん)。出世する為にいろいろ策を練るようになる。純粋そうに見えていた海老蔵さんの目の演技が変わってくる。そしてイケメンゆえ、綱吉の生母、桂昌院に目を付けられ、関係を迫られる。いわゆるパワハラです。年増なのに、体当たりで海老蔵さんに迫る桂昌院役の東蔵さんがメチャクチャ怖いIもう生々しいったらありゃしない!自分の出世の為に、イヤイヤながら、最後は承諾する海老蔵さんの表情が見もの。お犬様命I🐶、で人は良さそうなんだけど、頭は弱そうで、でも愛嬌がある憎めない綱吉役の中車さん(香川照之さん)が、さすが芸達者!。せりふは少なくても、しっかり客席をわかせる。お小姓(いわゆる若い男の子)にしか興味がない綱吉に世継ぎを作らせるために、自分の許嫁のおさめ(右近さん)に男装させ綱吉に会わせる吉保。男装の右近さんも魅力的〰〰!あんなに愛したフィアンセさえ自分の出世の為に利用するひどい吉保。このあたりから海老蔵さんの人相が冷酷になってきてじわじわと怖いのよね〰〰!愛する人の為に犠牲になる純情なおさめを右近さんが好演。そして、めでたく妊娠。でも本当は吉保の子?大奥で地位を得て、豪華な衣装を身に纏い堂々と振る舞うおさめ。まだ若い右近さんの貫禄ある演技には驚かされるわ!素晴らしい。でも心は純情な乙女のまま。益々、人でなしになっていく海老蔵さんと恨みつらみのやりとりでは、右近さん一歩も負けてない。美しいだけでなく、いい役者さんだわ〰〰!はたして、どんどん出世していく吉保を待ち受けている運命は???海老蔵さんがすごく繊細な演技。一人の人間が欲の為に変貌し、破滅していく姿を演じて、観客を惹き付ける。巧いわねー!凄く面白いお芝居なので、シネマ歌舞伎で沢山の方に観て頂きたい。歌舞伎でなくても、普通の時代劇として、テレビでも映画でもいけそう。もちろん吉保は海老蔵さんでI。ただ、面白い演目なんだけれど、ちょっと長いのよねー。六義園の場になってから、くどい感じ。せっかく面白い展開なんだから、もう少しテンポ良くしていただければ、客席も疲れないわよねー。(あくまでも個人的感想です、申し訳ない。)福太郎くん、凄くかわいいけど、セリフイマイチ元気がないわー!踊りはあんなに元気なのにねー。(あっ、これも個人的感想です。あしからず。)出ずっぱりのお陰で美しい海老蔵さんのお姿、堪能させて頂きました。