
母親に告げ口しても、お父さんがそんなことしないわよ、私も女だから判るわよ、と取り合わない。母親役の毬谷友子、懐かしい❗

釈然としないまま、不安な気持ちを友人の西島秀俊にぶつける。彼は、大学で物理を教えている非常勤講師。

あり得ないよー、あんな武骨な人がそんな事いえないよ、浮気出来るなんて思えないなー、と彼にも否定されてしまう。

しかし、ある日家に帰ると、真っ暗な部屋の中で母親が泣いていた。やっぱり、浮気していた。おまけに高校生の息子もいるらしい。あなたの弟よ。と母親に言われて、愕然とするあおい。お父さんに抗議しようよ!と母親に詰め寄るが、母親は、私たちは言える立場ではないのよ、と意外なことを言う。実はずっと隠していたけれど、私は正式な妻ではない、籍は入っていないのよ、と告白されてしまう。お父さんには奥さんがいて、その人とは別に女の人も子供もいたのよ、と残酷なことを言う。自分は私生児で、父親とは名字が違うという真実を信じられないあおい。父親に認知されていても、自分は恥ずかしい存在だと嘆く。深く傷付いて、深夜西島を呼び出し、生まれた時から自分は存在自体が間違っていた、と苦しい胸の内を明かす。それは違う、人には境遇や生まれた経緯なんかを超越した核がある、人は誰でも生まれてきた意味がある、と慰める西島。あまりの寂しさから、あおいは、西島に、抱きしめて!、私は好きなの、と懇願するが、西島は答えてくれない。ごめん、好きだけど妹にしか思えない。嘘はつけないと西島。心なく抱きしめてしまうとかえって相手を傷付けてしまうことがわかっているのだ。淡々と、人と距離を置いて学問の中で生きている西島も、自分の両親のことで深く傷付いていた。才覚もないのに、株やいろんな事に手をだし、借金を重ねる父親。その父親を止めることも出来ず、助けることも出来ない母親は、苛立ちから精神のバランスを崩し、パチンコに入り浸っている。パチンコでお金を稼ぐと気が紛れるのよと、言い分けをする母親。ボクはお金は渡しているだろ?!、パチンコはもうやめてくれ!、と息子が頼んでも、私は死ぬ気でパチンコをしているのよ!、と母親は生活を改めない。バカな二人だと軽蔑しても、両親が心配で堪らない西島。母親を幸せにしたくて頑張っても、伝わらない虚しさに涙が溢れてくる。

ラスト、残念ながらチープになっちゃうのよねー


