

釜山港で真面目に働くカンチョリ(ユ・アイン)は一人で、認知症で糖尿病で腎不全の母親の介護をしている。どんな母親の奇行にも、笑顔で優しく対応するカンチョリ。認知症の母親を全身全霊で演じるのは、冬ソナでお馴染みのキム・ヘスク。息子を思う気持ちより、愛した夫に語りかける日々。


度々、自分の息子を亡くなった夫と間違えてしまう。しかし、正気に戻る時もあり、そのときは息子に感謝の言葉を伝え、必ず死ぬ前に恩返しをするからね、と約束する。ある朝カンチョリが目を醒ますと、母は正気に戻り、☕🍞🌄



バスの中での親子対決も、名優VS名優、で胸に迫る。親孝行をしたい気持ちと、介護の辛さに負けそうになる気持ちの間を揺れ動く姿を繊細に表現。そして、ヤクザの子分になった友人が、真面目に暮らしている彼を危険な世界に引き入れてしまう。このヤクザの場面、たけし映画の影響を凄く受けている気がした。港での立ち回りは、昔の日活映画の香りも。ユ・アインは、昔の日活スター、赤木圭一郎の甘さもあるし、目のあたりに、若い頃の市川雷蔵の色気もある。本当にいい役者だわー。この映画の結末、少し甘い気もするけど、爽やかな風が吹いて、後味がいい。

友人のお父さんが、彼に言った言葉、「真面目に生きていれば必ず報われる」。これがこの映画のテーマだと思った。若い男性必見。もちろん必ず報われるわけではない。でもまずこの言葉を信じて来年も!。ユ・アインを教えてくれた友人に感謝、感謝