先日、パリ近郊の町

 

サン・ジェルマン・アン・レーの

 

サン・ジェルマン教会

 

の記事を投稿したところ、

 

読者さまから、教会について、

 

「明るく、軽やかなイメージですね。」

 

とコメントをいただきました。

 

確かに、ヨーロッパの教会は

 

重厚で、どっしりとした感じの所が

 

多いのですが、その中でも特に、

 

重厚さを感じさせるパリの

 

教会はどこだろうかと考えた時に、

 

ノートルダム大聖堂もですが、

 

 

「Église Saint-Sulpice

 

(サン・シュルピス教会)」

 

が浮かびました。

 

 

元は13世紀に、農民のために、

 

建てられた小さな教会でしたが、

 

1646年から再建工事が始まります。

 

1世紀以上にもわたる工期を経て、

 

建造された奥行113m、幅58m、

 

高さ34mの教会はノートルダム大聖堂

 

に次ぐ、パリで2番目の大きさを誇ります。

 

 

ファサードはフィレンツェの建築家

 

Giovanni Servandoni

 

(ジョヴァンニ・セルヴァンドーニ)

 

が設計しますが、彼の死により、

 

作業は中断してしまいます。

 

弟子がその後を引き継ぐも

 

フランス革命により、再び、

 

工事は中断し、右の南塔は

 

未完のまま、今に至ります。

 

また、普仏戦争で、被害を

 

受けた左の北塔の修復工事が

 

1999年から行われ、2011年に、

 

完了しました。

 

 

教会前のサン・シュルピス

 

広場にはヴィスコンティの

 

「4人の枢機卿の噴水」があります。

 

塔の部分の4面をルイ14世の

 

時代に活躍したボシュエ、

 

フェヌロン、フレシエ、マシヨンの

 

4つの座像が飾っています。

 

 

冬期には水がない時もありますが、

 

この時は2月でも豊富な水量でした。

 

 

サン・シュルピス教会を一躍

 

有名にしたのは2003年に、

 

アメリカで出版、44言語に翻訳され、

 

世界的大ベストセラーとなった

 

Dan Brown(ダン・ブラウン)の

 

長編推理小説『ダ・ヴィンチ・コード』です。

 

 

作中で謎解きの鍵となるキー・ストーンの

 

隠し場所として、登場するのです。

 

2006年にはトム・ハンクス主演で、

 

映画化され、私もそうですが、

 

小説は読んでいなくても映画は

 

観たという方も多いでしょう。

 

今はずいぶん落ち着きましたが、

 

ダヴィンチ・コードの人気が高まる

 

につれ、観光客が激増しました。

 

教会側は「ダ・ヴィンチ・コード」の

 

記述との関連を肯定していませんが、

 

そりゃ、小説、映画ファンにとっては

 

たまらない場所ですものね。

 

 

また、フランス文学史上、最も偉大な

 

詩人であり、小説家のひとりでもある

 

ヴィクトル・ユゴーが1822年に、

 

結婚式を挙げたことでも知られています。

 

1856年 ドラクロワ「ヤコブと天使の戦い」

 

ダ・ヴィンチ・コードを抜きに

 

してもサン・シュルピス教会は

 

見どころ満載です。

 

ロマン派画家の巨匠 ドラクロワに

 

よって描かれた、入口右手の

 

聖天使礼拝堂内の壁画三部作、

 

とりわけ、「ヤコブと天使の戦い」

 

は必見です。

 

晩年、病に冒されながらも二人の

 

助手と共に、12年の歳月をかけて、

 

亡くなる2年前に、完成した傑作で、

 

誰でも自由に無料で、鑑賞できます。

 

 

分かりづらいですが、天井には

 

「悪魔を撃つ大天使ミカエル」。

 

 

「ヤコブと天使の戦い」の向かいには

 

「神殿を追われるヘリオドロス」。

 

実物を目の前に、その大きさに、

 

圧倒されます。

 

ドラクロワに興味があり、

 

お時間のある方は徒歩圏内に

 

Musée national Eugène Delacroix(ドラクロワ美術館

 

もありますよ。

 

 

煉獄の魂の礼拝堂のピエタの彫刻

 

 

 

ルイ=シモン・ボワゾ作

 

 

聖母の礼拝堂の祭壇には聖母子像、

 

 

天井には聖母被昇天が描かれています。

 

 

 

カトリック信者が祈りを捧げ、

 

像の足に触れ、接吻するため、

 

足は磨り減っています。

 

 

左右の階段によって、

 

支えられている立派な説教壇。

 

 

 

最後に入口上部の世界最大級の

 

パイプオルガンもお見逃しなく。

 

1682年に、Aristide Cavaillé-Coll

 

(アリスティド・カヴァイエ・コル)

 

によって製作されたもので、

 

パイプの数は6588本だそうです。

 

小説の舞台を辿るもよし、

 

ドラクロワの傑作を堪能するもよし、

 

まだ、訪れたことがない方は

 

次回、パリを訪れた際に、

 

訪ねてみてはいかがでしょうか。

 

 

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◆  Église Saint-Sulpice

住所 50 rue de Vaugirard 75006 Paris
TEL 01 46 33 21 78
開館時間 7:30-19:30
休館日

年中無休

最寄り駅 St Sulpice ④
Website http://pss75.fr/saint-sulpice-paris/saint-sulpice-pas-a-pas/