「クリスマスツリー」 | Kyoto Corgi Cafe 2

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Kyoto Corgi Cafe 2 25日は「kotori cafe 」にケーキを取りに行き、短い文庫本を1冊読んで帰ることにしました。カフェオレ(600円)を頼むと可愛いサンタの折り紙が添えられてました。
読んだのはジュリー・サラモンの「クリスマスツリー」。ニューヨークの冬の風物詩、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーのお話。ある年のツリーとなる 木に選ばれた「トゥリー」と修道院で育った少女アンナとの交流を、ロックフェラーセンターの造園管理部長の目を通して描いています。人々が見事なツリーに 魅了される頃、スタッフは翌年用の木を探し始めています。苦労の末に選ばれる木には高さ、枝ぶり、しなやかさのほかに何かが必要だそう。それは気品。飾り物や電球よりも輝く「魂」があるか、美しさが外見でなく内面から来ているかどうか。モモ母は一度しか実物を見たことないけど、確かにロックフェラーセン ターのツリーは品がありますね。トゥリーはまさにそんな木だけど、修道女シスターアンソニーになったアンナは「あなたにはほかに選べる木がたくさんあるで しょ、でも私にはこの木しかないの」と断る。その後も修道女との交流が続き、やがて・・という展開です。
モモ母が面白かったのは造園管理部長がアンソニーに語る愚痴。「情けないのは、少しでも素晴らしい木をみつけようと手間隙かけて苦労しているのに、見ている人たちは自分が見てる木の価値がわからない、人工的な作り物の木とか、本物でも完璧に刈り込まれた木を見慣れすぎていて、本物の木のもつそれぞれの個性を欠点だと思ってしまうんです」これって、お店や食べ物にも言えますね。画一化したものを食べ慣れてると、不ぞろいの野菜や黄身の色がひとつひとつ違う卵が欠点に思えたり、店がきめ細かな配慮をしても客が気づかなかったり。トゥリーのあっちを向いたりこっちを向いたりしている枝を見て、アンソニーはこたえます。「あら、ああなってるからこそ、この木に気品が出てくるんじゃない」。この話、「kotori 」さんで読むのに相応しかったです。良いクリスマスでした。