びわ湖ホールで上演された「明るい部屋」を観ました。京都を拠点に活動する「ダムタイプ」の高谷史郎の演出によるパフォーマンス作品で、ドイツで初演さ
れ、フランス、スペインでも上演されたそうですが、日本はこれが初演。青山のスパイラルなんかでやりそうだけど、びわ湖ホール、しかも大ホールを使って上演されました。とは言うものの、大ホールのガラガラの客席の中を進んで、舞台上に上ると、左右に客席が設置され、中央に四角い部屋を思わせる舞台が組まれていました。フランスの哲学者ロラン・バルトの著書に着想を得たそうですが、モモ母は未読のため内容は全く知らず。「明るい部屋」とはプリズムや 鏡を備えた器具で写生する装置のことで、カメラの語源になってるということをパンフレットで初めて知りました。開演と共にステージが黄色い照明に照らさ れ、反対側の客席の観客がまるでセピア色の写真のようで、小学校のクラス写真とか団体旅行の記念写真って昔あったなぁ・・・などと思っているうちに2人の女性がシンメトリーにパフォーマンスを始めました。上部のスクリーンに描かれる映像と音楽、そして明滅するスタンドライトが観る者の五感を刺激します。机に並べられた古い写真がスクリーン上で拡大され、母と子の会話が字幕で映し出されるバックに流れていたレハールの「金と銀」のノスタルジックな響きが、幼い頃の影絵の記憶を蘇らせました。記憶は郷愁を誘うけれど、人と人との現実はすれ違いも多い。それが現代なのかも。