今更ながら映画のはなし | yoskのブログ

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どうもこんばんよう。

舞台も終わり、幕が上がるプロジェクトもひと段落してしまいましたね(ちょっと遅いかw)

最近はももクロとしての活動も落ち着いているので、"幕ロス"に陥ってる人も少なくないのではないでしょうか

自分もそのひとりでして、日々の生活の中でふとした時に幕が上がるのセリフが浮かんできてしんみりしたり…

ああ、寂しいな~
富士が丘高校演劇部のみんなに会いたいな~
なんて思ったときには、そう、バルト9

ありがたいことにまだレイトショー上映してくださってるんですね。(しかも先月より大きいスクリーン)

今日(書いてる間に昨日になってましたが)は1日ということでファーストデイでお安い日なので行ってまいりました。(2/28公開なので4度目のファーストデイ。なんてこったw)

個人的にはレイトショーだけで4回目(たぶん)
レイトショーのいいところは、人が少ないのでちょっとゆったり座ったり、手帳にメモをとりながら観たりできるところ



そんなわけで、レイトショーで蓄積してきた映画の小ネタなど諸々まとめていきたいと思います。

映画の各シーンを思い出して楽しんでいただいたり、次に観る時の新しい視点を提案できたりしたらいいな、なんて


真面目に考察っぽいのもあったり、ただ面白かっただけっていうのもあったり、

だいたいストーリーの流れに沿って箇条書きなので、雰囲気とかはめちゃくちゃです。

あと、自分まだ原作小説は読んでないので、そのへんでズレてるところあるかもしれませんが適当にスルーしといてください(笑)




さて、では






・火気厳禁の場所で焚き火
これはもうほとんどの方が気づいてますかね。
冒頭の小道具などをさおりたちが燃やすシーンですが、後ろには「火気厳禁」の看板の文字が。顧問立ち会いとか関係なくダメじゃんか、と思いきやよく見ると看板には「橋爪工務店」(記憶曖昧です)の文字が。橋爪家の私有地なんですね。だからユッコがいれば焚き火してもOKということで。しかしいきなり土地持ってますよお金持ちネタとはw



・ウインターマシンブルース
焚き火のシーンで小道具と共に燃やされる台本。さおりたちが2年のときに演じた、杉田先輩脚本の劇のタイトルですね。元ネタは本広監督の映画「サマータイムマシンブルース」。ムロツヨシさんも出演してます。
それはさておき、この台本を燃やすときにさおりが言った「いいんだって」というセリフ。最初意味がわかりませんでした(僕だけかな?)。「いいの」とか「いいんだよ」とかなら分かるんですが、「いいんだって」って、何故他人事?と思ってたのですが、よくよく考えてみると、あの台本は杉田先輩のものなのかなと。負けた台本なんて要らないから燃やしといてと頼まれた、と考えるとようやくしっくりきました。まあストーリーにはなんの関係も無いですが。



・影の薄い先輩
焚き火のシーンでのさおりの回想にて、去年の地区大会後の会場前でのミーティングの、印象的な溝口先生のトーク(笑) あの円陣をよく見ると、青ジャージのちょっとギャルっぽい人がひとり。翌年の新入生が青ジャージということを考えると、さおりの一個上の代が青ジャージということになるので、あの人は先輩ということに。杉田先輩だけかと思ってたらもう一人先輩いたんですね。映画のなかではまったく触れられていないので、なんのためにあそこで登場してたのか… 原作にはちゃんと登場してるんですかね



・我慢できないあーりん
同じく溝口先生の話のシーン。カメラが円陣の周りをまわって全員の顔を映してるんですが、一瞬映った明美ちゃんの顔が完全に笑っているw
たしかあーりんはあのシーンでクランクインだったはずなので、いきなりあんな演技見せられて堪えきれなかったってかんじでしょうか(笑)



・本物の演劇部顧問なのに…
同じくさおりの回想シーン内で、溝口の話の後の清真学園の円陣。解散後に顧問の先生が中西さんに声をかけるのですが、そのセリフが、あれ?(笑)
「みんなもそう言ってるだろ、自信持っていいんだぞ、中西(棒)」ってかんじでw 演劇部顧問といえど、自分が演技するのはやっぱり難しいんですかね。あるいは舞台と映画で勝手が違うからか。



・裏で茶番劇
さおりの部長就任が決まり、屋上で所信表明するシーン。後ろにカップルが映り込んでいます。しかも楽しそうに話してるのかと思いきや、突然女の子が男の子をビンタして走り去ってしまい、しょぼくれる男の子という謎の茶番劇を繰り広げているw なにかを暗喩しているのかと思い観察してましたが今のところ僕には理解できてないので、どなたか真相を掴んだらご一報を(笑)



・漫画を読むグータラ少女
家のリビングで朝から寝転がって漫画を読むさおり。そりゃお母さんも心配にもなりますよね(笑)
そんなさおりが読んでいた漫画が「みんなで卒業を歌おう」という少女漫画。これもなにかメッセージがあるのかと思って調べましたが、ざっと読んだかんじどうやら普通の少女漫画みたいですね。
ここで試し読みできるので興味があるかたはどうぞ



・超優秀な弟
同じく朝のリビングのシーン。さおりの弟が華麗にピアノを弾いてそのまま野球の練習に飛び出していきますね。ピアノの上にはいろんな盾やトロフィーが飾られてます。さらにそのあとさおりが「われわれのモロモロ」のチラシを作ってるシーンでは、弟は英検2級の本を読んでいます。
ポテンシャル高すぎますね(笑)これと比較されて親から色々言われる姉。よくある兄弟の関係ですね。
たしかこの弟役、本広監督の息子さんだったかな?どっかでそんなことを言っていたような…
(追記)弟が弾いてた曲、これらしいです。

原曲聴くと、劇中ではテンポ早く弾いてた気がしますね、早く野球に行きたいからか。芸が細かい。


・夢を語る先輩
さおりが先輩に呼び出され、海岸で写真を撮るシーン。将来の明確なビジョンを語る先輩を見て、まだ将来になにも描けていない自分を情けなく思い、また自己嫌悪に陥ってるのでしょう。「ごめんなさい先輩、このとき私は全然別の事を考えていました」というのも自分のことを考えていたということ、かな?個人的にはそんなに「別の事」のようには思わないけど。あるいは本当にもっと「別の事」を考えていたのか



・さおりの才能
同じく海岸のシーン、最後に杉田先輩は「私を1番良く見せてくれるから、さおが」(セリフ曖昧)と声をかけます。
先輩はもしかしてさおりの演出家としての才能に気づいていたのでしょうか。
海岸に呼び出したのも、オーディションのための写真というのは口実で、自分が辞めた後の演劇部をさおりを案じて、さおりに演劇の楽しさを思い出させ、さらに演出家としての才能に気づかせようとしていたのでしょうか
だとしたらなかなか凄い人なのか先輩



・図書館のシェイクスピア
新歓での台本を考えるために図書館に足を運ぶさおり。中西さんとぶつかった後、本棚のロミオとジュリエットを手にとります。しかしその前に一瞬、隣の「はじめてのシェイクスピア」という本に手を伸ばしかけています。この動作、演出の意図はなんなんでしょうか。意味なくやったとは思えない動き方なので
強引に考えた理由は、実際さおりはシェイクスピア読むのは初めてだったけど、変なプライドから「はじめての~」を読むのは嫌だったからじゃないかな、と。
こじつけですね(笑)なんかいい理由見つけたら教えてください



・ロミオとジュリエット 訳
同じく図書館で最終的に手にしたロミオとジュリエット。大場健治さんという方が訳したものですね。下の画像のもの。
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はい、どうでもいい情報ですね(笑)




・お嬢様のスクールバッグ
途中で気がついたのですが、ユッコのカバンをよく見ると、防犯ブザーらしきものが付いてるんですね。さすがお嬢様、未だに親がつけさせてるのでしょうか(笑)
実際あんな娘いたらお金持ちとか関係なく誘拐したく…おっと誰かry



・滝田先生の授業
銀河鉄道の夜を読んだ感想をよく分からなと答えた生徒(青年団の井上みなみさんですね)に対し、「そういったよく分からないものを表現するのが、作家や画家の仕事」(セリフ曖昧)と語る滝田先生。当時何もかもが分からない演劇に悩んでいたさおりは、その言葉に納得しかけ、解決するヒントになるのではないかと聞き入ります。教科書の滝田先生の似顔絵の下にもGOODの文字が。
しかしそのあとに続く「でもそれは誰にでもできるものではなく、天才と呼ばれる限られた人にしかできない仕事」という言葉で、台本を書けない自分は才能が無いと言われたような気がしてさおりはまた苛立ちます。GOODの文字も似顔絵もろとも潰しちゃいますね。この言葉が、さおりに演劇を辞める決意をさせるトドメとなったのですかね(結果的に踏みとどまりますが)
後半の滝田先生の授業のシーンがさおりに影響を与えるのはすぐ分かりましたが、よく考えるとこのシーンの授業にもちゃんと意味があったんですね。



・ミライボウル
このシーンとその直後のBGMがミライボウルですね。特に曲とシーンとの関連性は無さそう。ただ監督が入れたかっただけですね(笑)
ちなみにミライボウルはもう一度、図書館でさおりが演出ノートの表紙を書くシーンでも使われていますね。




・「演出のしかた」
吉岡先生が美術準備室で肖像画を披露するシーン、机の上をよく見ると「演出のしかた」という本が置いてあります。演劇を辞めたとはいえ、まだ心残りがある、しかも教える側としての勉強も実はもう始めていたということですかね。ただそれもこの段階では美術準備室という自分だけの空間でこっそりと。
このあと、正式に副顧問として演劇部に関わるようになってからはこの本は職員室の机に移動しています。こっそりと自分に嘘をつきながらではなく、指導者としてはっきりと改めて演劇に向き合っていこうという決意の表れですかね。
しかし時間が経って、吉岡先生を訪ねてきたさおりを溝口先生が「新人だから研修とか忙しいんだよ」とごまかすシーン、実際はこの時オーディションに行っていたと思われるシーンでは、職員室の机から「演出のしかた」が無くなっています。この時すでに吉岡先生は指導者、演出家としての勉強をやめて、役者としての道に心が傾いていることを暗示しているのではないでしょうか。
はたして本一冊にそこまでの意味を持たせているのだろうか、書いてて自分でも見間違いのような気がしてきた(笑)今度確認します



・急ブレーキ
中西さんと教室で初めて話したあと、ユッコの後を追いかけ廊下を走るさおり。ユッコは曲がり角で待ちます。曲がり角の、ほんとに曲がってすぐのところ。
いやそれぶつかるだろ、とw あのスピードで走ってきて曲がっていきなり止まれるか、と(笑)
はい、揚げ足をとりましたー




・悩殺笑顔
フードコートにて中西さんと話をするシーン、キーホルダーを返す中西さんのお父さんに向けたさおりの笑顔が、やべえ。
目を細めて、大げさに顔を上に向けて、えくぼをばっくり出して、ボサボサの髪が無邪気さをより引き立てて、、、
もう殺人級ですよあれは。落とし穴深すぎて落っこちて死にますよ。




・フードコートのドリンク
同じくフードコートのシーンでふたりが飲むドリンクについて。ドリンクの色が赤と緑というのは一発で気づきますね。最初はただの本広監督の遊び心かと思ったのですが、よくよく考えるとひとつの考察(妄想)が浮かんできました。
実はあのふたつのドリンクは、さおりと中西さんの心の距離を表してるのではないかと
最初に中西母がテーブルにドリンクを置く時、さおりの前に緑、中西さんの前に赤のドリンクを置きます。これは転校したばかりの娘を案じて、友達と心をかよわせてほしいという中西母の願いが込められているのではないかと。
しかしその交差して置かれたドリンク、中西さんはわざわざ自分から遠い方の緑のドリンクを手に取ります。これは中西さんがまださおりに心を許していないことをしめしています。さおりも仕方ないな、という顔で赤のドリンクを飲みます。心を開かない中西さんをある程度諦めているのかな。
ここでふたりはテーブルの自分の目の前の辺のちょうど真ん中あたりにドリンクを置きます。まだふたりの心の距離は離れている。
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しかし中西さんが鞄から全国大会のチラシを出したことで、彼女の心の中にまだ演劇が残っていることを見抜いたさおりは、一気に中西さんの懐に飛び込もうとします。「一緒にきて、全国」
すると、次のカットでテーブルに置かれたチラシがアップになり、その両脇にはふたつのドリンクが映り込んでいます。そう、ふたりの距離が一気に縮まったことを表しています。
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ただの妄想、考えすぎかもしれませんが、個人的にはこの説すごく納得してます。さおりも中西さんも1度ドリンクを飲んでテーブルに置いた後触っていないので、演出側が意図的に動かしたものかと。ということはやはりなんらかの意味があったと考えてもよいのではないでしょうか



・さおりを見つめる中西さん
全国大会のボランティアに参加し、強豪校の演技、仕込みを食い入るように見つめるさおり。そんなさおりを見つめる中西さんの目から、純粋に演劇に没頭するさおりに対する羨ましさ、演劇を諦めた自分との葛藤のようなものを感じます。徐々に演劇の楽しさを思い出しているのかもしれません
なにかに没頭する人をみているとやっぱり周りも熱くなってくるものなんですよね。青春ですね。




・みんな とは?
全国大会からの帰り道の「あんなところ目指してたんだねみんな」というさおりのセリフ。
この"みんな"ってどういう意味でしょうかね?私たち、なら分かるんですが、みんなってなんか他人事のように感じるんですよね。どういう意味のみんななのか、ぜひ意見をお願いします、みんな。

(みんな でゲシュタルト崩壊してきた)




・天龍リスニング
この映画で理解難易度最高とも言われる天龍さんのセリフ(笑)なかでも合宿地に着いたときにバスの運転席からユッコに言うセリフが、Twitter見ていてもなかなか正解が見つからない様子w
僕は、「ユッコ、元気良く頑張れよ」と言っているように聞こえましたね。たぶん口の動き的にもあってると思うのですが、はたして正解はどうなのでしょうかw




・合宿中のグッチ
合宿での稽古中、当然のことながらやること無いグッチ。なにしてるんだろうなーと思って観察してたら、なんと途中でバランスボールに座って遊んでました(笑)一瞬のワンカットだけだったのですが、なぜそこでwという謎
まさかこれに意味はないですよね?(笑)



・ここにもあつのりん
新宿のビル群に向かう途中、レンガ造りの階段の下であつのりんがカメラ前を横切ります。ユッコの姉夫妻は東京に住んでるんですかね。しかし隣で一緒に歩いていた女性、あつのりんよりだいぶ背が高く見えたんですよね。ユッコの姉役のゆみ先生ならそんなに身長変わらないはず…
まさか…浮気?笑



・ユッコの葛藤と成長
合宿中のユッコの表情を観察していると、素晴らしい台本を書き上げどんどん前に進んでいくさおり、去年地区大会でユッコも目にした演技力を合宿で改めて見せつける中西さん、大人に囲まれて役者として成長を遂げた杉田先輩、プロの役者から声をかけられるほど有名な吉岡先生など、今まで女王様として君臨してきた自信を揺るがすような周りの実力、成長に劣等感、焦りを感じ暗い表情を見せています。そんなユッコを見かねて吉岡先生はあのビル群を見せに行くわけですね。自分より優れた役者たちも沢山いるけれど、自分も同じラインに立って闘えるんだということを知り、目を赤らめるユッコ。恐らく同時に、自分の周りにも沢山の役者が、仲間がいて、その人たちも頑張っているんだ、自分が輝くだけじゃダメなんだ、ということも考えたのではないでしょうか。それがシングルベッドでの「周りを最高に輝かせる」というセリフにも繋がるのかな。
そんなユッコにとって1番の見せ場とも言えるシーン、しかし玉井さんはフォトブックのインタビューであのシーンには納得していないと語っています。たしかに個人的には、ユッコの心情を考えるとあのシーンではポロポロと大粒の涙がこぼれるような泣き方のほうがしっくりくるような気がします。玉井さんも本当はそういう演技がしたかったのかな。でも実際には目を赤らめ、涙を溜めるくらい。まあ実際どう思ってたかは分かりませんけど。
ここからさらに妄想
このシーンの演技に納得できなかった、悔しかった玉井さんは、映画から舞台に向けての期間、泣きの演技を自らの課題として持っていたのではないかなと。そう考えると最近玉井さんの涙を見る機会が多かったような… そして舞台で見せたあの涙。もしそこまで見据えて計算、計画していたのだとしたら…
完全に誇大妄想ですね。さすがにこれは玉井さん恐ろしすぎます(笑)



・タバコの匂い(160729追記)
シングルベッドのシーン、ふたりがこそこそ話しているところへ突然ドアが開き吉岡先生が。「大学時代の友達に会ってきた」と話して先生が去った後、さおりは「タバコの匂いがした」と。
最近では教育上の理由からか基本的に学校は禁煙となってる、はず。つまりここでの「タバコの匂い」は、学校の対極にあるものの象徴として登場しているのかと考えられます。すなわちこのときの吉岡先生は学校の教師ではなく、演劇に打ち込んだ大学時代の友人に会うことで呼び起こされた女優・吉岡美佐子だった、ということを表しているのではないでしょうか。
さおりの言葉に対するユッコの返事のように、最初は僕も単に都会の象徴としてタバコを出したのかと思ったのですが、さおりの困惑したような表情も含めるとこの考えの方が合っているような気がします。
そう考えると、去り際の吉岡先生の言葉「良くないよ、睡眠不足は」も、教師として夜更かしを注意したのではなく、女優として容姿を保つためのアドバイスだったのかななんて。妄想解釈が広がりますw



・明美ちゃんに惚れる袴田
合宿の最後のミーティングの集合がかかった時、明美ちゃんは袴田の膝に絆創膏を貼ってあげていました。さすがの優しさと気遣いですね。この時に袴田は明美ちゃんに惚れたのではないでしょうか(笑)



・ツッコミどころ満載の高田
美術室で作業しているシーン、がるるの「ひとりだけど、ひとりじゃない、みたいな」に対して「え?え?ごめんなさい、え??」と入ってくる高田wそれだけでもう爆笑なんですが、よく見ると高田さん、手に鉛筆を持っているのに耳にももう一本鉛筆を挟んでるんですよねw そんなところにもネタを仕込んでるとは、さすががるるの後継者ですね(笑)




・屋上の横断幕
たびたび映る屋上の柵にかけられた横断幕の文字「不撓不屈 どんな困難もみんなで乗り越えよう!!」おそらく富士が丘高校の校訓なんでしょうね。ストーリーにはまったく関係ないですが(笑)
ちなみに僕は「どんな困難も」の部分だけみて、あれ未来へススメじゃね?とか一瞬勘違いしちゃったり…




・あいつ~
屋上でのユッコと中西さんのシーン、1年生がふたりを呼びに来る直前に、後ろで教室の窓からふたりを眺めるさおりの姿が映り込んでいます。ほんとにちゃんと見ている、見えているんですね。スランプに陥る明美ちゃんを励ます会話といい、さおりの部長としての成長が伺える良いシーン、個人的にかなり好きなシーンです。




・グッチの成長
地区大会の控え室にて、係員から富士が丘高校の呼び出しがかかると、溝口先生は「"ちゃんとした顧問"がまだ来てないんです」と。振り返ると、美術室で吉岡先生が「行こうよ、全国」と語るシーンでは溝口先生は「顧問俺だよ~」と言っています。この時から合宿を経て、部員達の演劇に打ち込む真剣な姿を見て溝口先生のなかでもなにか感じるもの、変わった部分があったのではないでしょうか。ちゃんとした顧問は吉岡先生で、自分はサポートする立場。かつては新歓の企画も丸投げするようなやる気のない顧問だったのに。
ただ、係員の「大丈夫です、先生でも」という返事に対し「いやこっちが大丈夫じゃないんです」と答えるあたり、相変わらずの情けなさ、頼りなさですけどね(笑)




・安定のグッチ
同じく地区大会控え室のシーン、溝口先生と入れ替わるようにして入ってきた吉岡先生。溝口先生が戻ってきたときには円陣が組まれてしまっていますw また仲間外れにされて少し寂しげな表情を浮かべながらも、ドアのところで吉岡先生の「よし、目を閉じて」に誰よりも早く反応して目を閉じてるグッチw 前述のように成長したグッチは、合宿最後の円陣のように割り込んで空気を乱すようなことはしないけれど、彼のなかでは心はひとつなんです。もはや愛おしいですグッチ(笑)



・青森中央高校の川上アキラ
地区大会での清真学園の「もしイタ」。時計の役をやってる生徒が、ぽっちゃりでメガネで坊主で富士額という、まさに川上ジュニア(笑)
たぶん実際の青森中央高校の生徒なんでしょうけど、ほんとにそっくりで(笑)こんな偶然あるものなんですね。




・震災と舞台
清真学園の舞台「もしイタ」ですが、実際に青森中央高校がやっていた舞台で、先日NHKでもフルver.が放送されていました。
このもしイタですが、主人公が東日本大震災で被災し、なぜ自分だけが生き残ったのかということに苦悩する転校生という、舞台版幕が上がるとリンクする部分が。
これは単なる偶然なのか、それともなんらかの関連、影響があったのか。



・さおさん大好き明美ちゃん
地区大会での結果発表のシーン、富士が丘高校の名前が呼ばれ、さおりに後ろから抱きつく明美ちゃんが、一瞬ですがさおりのほっぺにキスしてますね。ほんとに"先輩として"好きなだけなんでしょうか(笑)




・相変わらず漢字に弱いさおり
地区大会突破が決まりさらに熱の入るさおり。授業中も演出ノートを書いています。しかしその演出ノート、よく見ると平仮名で書かれた「ばくぜん」の文字がw われわれのモロモロのチラシに続き、やっぱり漢字苦手なんですね(笑)
ちなみに演出ノートのこの部分はパンフがなにかに載ってたかな?




・滝田先生のメッセージ
同じく地区大会後の授業のシーン、滝田先生は宮沢賢治の「告別」という詩を朗読しています。良い声ですね。
この詩について調べたところこんな解説が
この時点で滝田先生は吉岡先生が教師を辞めることを知っていたのでしょうか。
となると、後に滝田先生は地区大会を観劇していたことを語っているので、この詩はさおりへの重要なメッセージだったのでは。
しかし当のさおりは演出ノートに夢中で授業をまったく聞いていないという(笑) 残念ながらメッセージは届きませんでした。まあ聞いていたところで、この時点でさおりにはその真意が理解できるはずはないのですが。
そこでさらに滝田先生は後の授業で「二十億光年の孤独」を取り上げ、より直接的なメッセージをさおりに送ります。これはしっかりとさおりの心に届き、さおりの、富士が丘高校演劇部の背中を強く押してくれています。さらには舞台版のストーリーを動かす重要な部分にも。
素晴らしい先生ですね。
個人的にもこのシーン、そして二十億光年の孤独という詩が大好きです。幕が上がるという世界がギュッと詰まってるような詩だと思います。




・中西さんの心境
吉岡先生からの手紙が読まれるシーン、部員達はほぼ全員涙を流しているのですが、中西さんの表情にはそれほど悲しさが感じられず、むしろなにか納得しているような、悟ったような印象を受けました。
単純に吉岡先生との付き合いが短いから、というのはさすがに無いと思うので
自分がたどり着いた答えは、吉岡先生への共感の表情だったのではないかという考えです。さおりの演劇への熱意に心を動かされ再び演劇の世界に戻ってきた中西さんは、さおりたちに演劇の楽しさと豊かさを思い出させられ役者の道へと戻っていく先生の気持ちに共感、納得していたのではないでしょうか。そう考えると、さすが有安さん、細かい表情まで深い。
もう少し妄想を広げてみます。
実は中西さんは吉岡先生が辞めようとしていることに勘付いていたのではないか。だからさわやかでのシーンでの「先生、来週は部活来られるんですか?」というセリフ、そして悟ったかのような表情だったのではないかと。
さすがにこれは妄想すぎますね。ちょっと無理がありました。まあ思いついたので一応書いてみただけです(笑)




・行くんですよね?私たち
同じく手紙のシーンでの最後の明美ちゃんのセリフ「行くんですよね、私たち、県大会」。視線からしてこのセリフはさおりに向けて言ったものと考えられます。この時点で明美ちゃんはすでに、これはさおりの問題、さおりが答えを出さないと前に進めない問題だと気づいていたのでしょう。さすがの頭の回転の早さ。来年の加藤部長が楽しみで仕方ないです。




・一瞬現れたれにちゃん
美術室でさおりが語るシーン、「~その前に」のなかで、実はあのシーンにはがるるのセリフが間に入るはずだったことが明かされています。それを踏まえてがるるを観察していると、一瞬口を開きかける瞬間が。しかしさおりがセリフを続けてしまったため、半開きの口のまま目を泳がせるがるる、いや、れにちゃんの姿が。昔よくライブのOPで見た目が泳ぐれにちゃんでした(笑) ただそのあと数秒で真剣な表情に戻るあたり、ちゃんと役者やってるなと思いました。




・さおりの言葉
同じく美術室のさおりの語りのシーン、「ここで辞めるわけにはいかない、だってそれは自分自身を辞めるということだから」という言葉、少し振り返ってみると、中西さんとの駅のシーンでの「始めた理由は大して無い。でも辞める理由はもっと無い。私は最後までやり通す」という言葉とどことなく繋がっているような。他にも美術室のシーンと駅のシーンでリンクしているような言葉がちらほら。やっぱりこれが、さおりが演劇と向き合ったときに心の底から出てくる本当の気持ちってことなんですかね。染みますね。



・音楽室の誓い(160729追記)
県大会前最後の練習と片付けが終わり、音楽室に残った3年生と明美ちゃん。ふとした流れから吉岡先生の話になり、
いつか逢えるかな、いや私は共演するね、じゃあさおりが演出で…と
そう、これは将来の話。演劇部を引退し、富士ヶ丘高校を卒業して、ここにいるみんなはバラバラになったあとの話。もしかしたら県大会で負けて、数日後からはこうして集まることも無くなるかもしれない、という状況。そう考えるとこのあとの「ま、いつか逢えますさ」「いつかね」という言葉は、単に吉岡先生との再会という意味だけでなく、この5人の進む道がまたいつかどこかで交わることを願う、そのためにも演劇を続けていくことを誓う約束の言葉だったようにも思えます。
そして5人で窓から星空を見上げる。東京で吉岡先生に見せてもらった、沢山の役者と重なる星空。彼女たちにとって星空は演劇の世界を表しているようなものになるのかもしれません。きっとこれからも彼女たちは星空を見上げるたびに、どこかで頑張るお互いのことを想って力に変えていく…なんて裏のストーリーはいかがですかね。



・明美ちゃんのお父さん?
いよいよクライマックス、県大会のシーン。部員たちの家族が集合するなか、なんと明美ちゃんのお父さん役は松崎しげるさん。肖像画では明美ちゃんのお父さんは工場で働いていると言っていたので、イメージと違いすぎて意外でした。
工場で働くお父さんの真っ黒い手ってそういう意味かよww




・緞帳スタンバイ
いよいよ県大会の舞台が始まるシーン。さおりも舞台裏でスタートの合図の準備。
この構図、地区大会のシーンでもありましたね。舞台装置のスイッチと、係員と、さおり。しかし地区大会のときは「緞帳スタンバイ」のあとカウントダウンのときも舞台を見たりスイッチを見たり時計を見たりと落ち着きの無い様子。演出家としての初めての大会で余裕がなかったのでしょう。
しかし県大会では、まず係員に「よろしくお願いします」と挨拶。そして「緞帳スタンバイ」そこからもうさおりの視線は動きません。その目は時計でもスイッチでも、舞台でもなく、その先を、舞台の上でなら行ける場所を、決して辿り着けない場所を見ているのでしょう。
映画のなかでのさおりの成長をすべて詰め込んだ姿、表情。間違いなく鳥肌。あれは技術云々ではない、百田夏菜子だからこそできた表情でしょう。そして僕らが百田夏菜子に惹かれる理由も詰まってるような気がします。





・姫と王子
終わりかと思いきや、まだあります(笑)エンドロールのなかでのメイキング映像の話。5人が音楽室に集まり、姫と王子が窓の外を覗くシーンのオフショット。ふたりで寄り添って手を振ってるのですが、突然抱きつこうとします。ふたり同時に。まったく同じタイミングで横を向いて抱きつこうとしたもんだから顔が向かい合っちゃって唇がぶつかりそうに。照れ笑いするありたまいがうわあえhbggめさ@gた_x&のをag¥・に〒÷




・畑澤聖吾先生
さらに続きます、今度は「~その前に」の話。清真学園時代の中西さんの演技のシーンは、青森中央高校の演劇部に実際に混じってやっているので、演出、指導を顧問の畑澤聖吾先生がやっています。最初は普通に指導している、むしろアイドルが演劇をやることに対して否定的なんじゃないかと思うような雰囲気だったのですが、杏果の演技に熱が入るにつれて先生もどんどん熱くなっていって、終いには青森に連れて帰りたいと言わせるまでに。さすがです有安さん。
個人的には杏果はドラマとかのお芝居より舞台での演劇チックな演技のほうが合うと思うので、畑澤先生に声かけていただいてまた演劇の仕事やってくれないかなーなんて思ってたり。




・監視おりん
同じく「その前に」のなかで、オリザさんのワークショップのなかでのひとコマ。演出家の動きを学ぼうとオリザさんの動作を真似する夏菜子ちゃん。それに気づいてオリザさんが振り返りふたりで微笑むシーン。そう、後ろにはあの人の冷たい視線が。監視おりん健在です。




・最後に
今回映画を観てて、始まってすぐに思ったのが玉井さんの髪。この映画が黒髪ショートの玉井さんの遺作になるんですかね。
もちろんそれだけでなく、百田さんも言っていたように、この映画が2014年の、大人と子供の狭間の貴重な時期のももクロを残す映像になって、いつでもそのころの気持ちに戻れる大事な作品になるのでしょうね。
舞台ももちろん良かったですが、やっぱり映画にも別の良さがあって、どちらも本当に大切にしていきたい作品だなと、今回こうして振り返ってみて改めて思いました。


と、こんなかんじで強引にまとめて終わりたいと思います。


長文駄文読んでいただきありがとうございました。