プランドビジネスに力を入れる動きも1990年代から、総合商社や一部の専門商社の間で目立つようになった。三井物産は欧州を中心に自社で輸入した高級な海外ブランドの販売に乗り出し、伊藤忠商事はインポートだけでなく、百貨店や量販店にも販売できるライセンスプランドの商売を急拡大した。
OEMとブランドビジネスに活路を見出そうとしていた商社は2000年以降、再び構造変化の波にさらされる。OEMは、価格や納期を巡り、商社間で競争が激化し、収益性が低下した。ブランドビジネスでは、欧州の高級プランドが商社を介さずに直接、日本市場に支社や法人を設け、自前で乗り出すようになった。ライセンス型のプランドも量販店などを中心にプランドの氾濫が起き、売れ行きが鈍るようになった。
このため現在、商社は扱い商品
の付加価値化だけでなく、取引形態の付加価値化に取り組んでいる。原料やテキスタイルの輸出で培った海外での販売ネットワークを使い、日本の先端技術を海外市場へ紹介する取り組みや、アパレル企業やブランド、小売業への積極的な資本参加やM&A(企業の合併•買収)で取引先との関係を強化し、同業他社と競合しない安定的な繊維事業の流れを構築しようとする動きが生まれている。
また、中国での生産基盤や営業機能を経済成長が著しい中国国内向けの商品に活用したり、欧米に輸出する動きも出ている。