カンタと同じ職場で働いているヒカルは地味なタイプの女の子だった
髪はいつもボサボサだし履いている靴もボロボロだった
オシャレには縁のない女の子に見えた
カンタはいつの頃からかヒカルと話をするようになり、話題や価値観が自分と似ている事に気付いた
カンタはそんなヒカルに思いを寄せていた
だが、どんなにカンタが頑張ってヒカルを遊びに誘っても、ヒカルは遠回しに断りをいれてカンタの誘いに乗ることは無かった
ある時、職場で飲み会があった
大学生で未成年であったカンタは飲み会には参加せず、自ら飲み会の間の店番をすると申し出た
その飲み会にはヒカルも参加することは知っていた
だがこれまで何度か誘いを断られていたカンタにとってバツが悪く思ったのだろう
つよがりに似た感情を抱えたまま、カンタは仕事のシフトに志願した
その日はずっと働いていた
カンタの頭の中にポッカリと穴が空いたように虚しさを感じた
淡々と作業をこなすカンタ
ふとレジの前にお客さんが立った
見ず知らずの客だとカンタは思ったが、顔を見て驚いた
その女性は可愛らしい服装に身を纏ったヒカルだった
普段では考えられないほどにキラキラとしたヒカルがそこにいた
戸惑いながらも冷静を装いながらヒカルと少しだけ言葉を交わした
雰囲気が違うね
うん、飲み会だから気合いを出してみたんだ
そんな会話だったという
カンタはその時思った
なぜヒカルがあんな格好をしていたのだろうか
俺がいない飲み会であんなに可愛い格好をするヒカル
自分には気がないのだろうな
その日、仕事が終わって、カンタは人生ではじめて独りタバコに火をつけてふかしたという
僕の昔の友達の話です
なんだか切ない気分になりながら僕は友達の話を聞いていました
その日も今日と同じようにタバコをふかしながら空を仰いでいました
夕焼けの空が綺麗で、今と違う点と言えばその友達が隣にいるかいないかということでしょうか
友達はそれ以来、女の子と距離を置き、程なくしてその仕事を辞めたそうです
かつては大学で一緒だった彼も今は就職をしてどこか遠くへと行ってしまいました
彼は今、幸せでしょうか
僕はあまり人の幸せを願うほど出来た人間じゃありませんが
彼には幸せになっていてもらいたいのです
iPhoneからの投稿


