2023年春の第5回WBC準決勝の「侍ジャパン」対メキシコ戦。4ー5の1点ビハインドで迎えた九回、この回先頭の大谷翔平(当時エンゼルス、現ドジャース)が二塁打で出塁。続く吉田正尚(当時オリックス、現レッドソックス)は四球。ここで栗山英樹監督は周東佑京(ソフトバンク)を吉田の代走に起用。不振続きだった村上宗隆(ヤクルト)が中越え二塁打、周東は俊足で鳴らす大谷さえも追い抜きそうな快速でサヨナラのホームインーー。
強く印象に残った場面だが、その周東が今度は足ではなく、「5打数5安打」と、バットで日本シリーズゲーム最多安打の新記録を達成しました。
26日、みずほペイペイドーム福岡で行われたソフトバンク対阪神のプロ野球日本シリーズ第2戦。周東は初回、無死一塁で右前打のチャンスメイク。その後、栗原の右前適時打で同点のホームを踏みました。
3ー1の二回二死二塁の好機では、左中間への打球で快速を飛ばして適時三塁打。三回二死一塁では中前打。五回二死一塁では中前打。これで、過去延べ29人がマークした1試合4安打のシリーズ記録に並びました。
そして七回二死走者なしから、左翼線二塁打を放ち、新記録を達成しました。同時に「ゲーム最多出塁5」(11人目)、「連続イニング安打3」(4人目)のシリーズタイ記録も樹立しました。
もし、もう1打席が回って本塁打を打てば「サイクル安打」も記録できたのだが、それは次回に回すとして、数々の記録を打ち立てた周東。来春のWBCで、再び周東の足と、今度はバットで「連続世界一」に導いて欲しいと思います。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。