9月29日から行われた滋賀国民スポーツ大会の硬式野球部で、高校野球国内主要大会において初めて7イニング制が導入されました。今夏、甲子園に出場した8校が試合を行った結果、感じた違いや効果などを、戦法、健康、時間に分けてまとめてみました。
【戦法】2イニング減ることによって、攻撃には先手必勝がより重要になりました。1試合に回ってくる打席数は、1〜3番が最低3回、4番以降2回。となれば、好打者に多くの打席を回す必要が生じます。大リーグで大谷翔平(ドジャース)が1番を打ったり、強打者が2番に入るように、これまでの「最強打者は4番」という「高校野球の常識」は覆され、1番、2番に強打者を置くケースが増えそうです。
【健康】7イニングだと、先制点を与えたくない心理から、エースに連投を強いる場面が多くなる危険性があります。また、投手は投げるイニングが短くなると、出力を上げることが増えて、肩肘の負担が増す危険性も出てきます。また、9回制だと、エース1人で勝ち抜くのが難しいため、複数の投手を用意する必要があったが、7回制になれば、公立校とかは、エース1人で地方予選を勝ち抜いて甲子園に出場できる可能性が出るため、その健康への負担も考えられます。
【時間】今大会は計7試合が行われ、平均試合時間は1時間41分でした。真夏の酷暑問題を考えると、試合時間短縮は大歓迎です。また、初日の1試合目は午前8時30分開始予定が、降雨影響で1時間遅れたが、予定された4試合は午後6時には全て終了しました。降雨や不慮の事故などによる日程の遅れ防止にも役立つ様です。
来春センバツからDH制導入が決定するなど、改革が進む高校野球界において、7イニング制導入は、さらに大きな改革となるか、逆に衰退につながるか、今後の行方が注目されます。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。