来年3月に開催される野球の国・地域別対抗戦「ワールド・ベースボール・クラシック」(WBC)について、WBCの運営会社と米動画配信大手ネットフリックスは25日(日本時間26日)、日本国内での生中継について、ネットフリックスが独占配信を行うと発表しました。WBC全47試合について、国内ではネットフリックスの生中継といつでも利用可能な「オンデマンド」で視聴できます。
前回の日本代表「侍ジャパン」が優勝した大会では、日本の全7試合は、いずれも世帯視聴率が40%を超えるなど、国民から多くの関心が寄せられていただけに、今回のネットフリックスの独占配信には、否定的な意見が多く寄せられているという報道が出されています。
確かに、野球人口の減少や、娯楽の多様化などから野球の普及という面では、地上波の放送がないという状況は好ましくないでしょう。
しかし、2026年に行われるサッカーのワールドカップのアジア最終予選のアウェー戦は、全試合地上波放送がないなど、こうした傾向が広がっているのは事実です。今回のWBCだけでなく、放映権が高騰を続ける中、反比例するようにテレビの需要は年々減っています。
テレビを持っていない人が増えている中、「WBCをタブレットなどモバイバルで視聴した」という人が、20代では25%近くいたと、前回のWBCでの視聴結果が出ています。まさに、テレビ受像機を持たない人は、地上波放送がないことは全く関係ないのです。
時代とともに変化していくスポーツ中継の在り方だが、多くのスポーツを地上波で見られなくなる日は、予想より早くなるかもしれません。お茶の間のテレビでWBCを見たいという人には、暗いニュースと言えるかもしれません。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。