米大リーグのナ・リーグ西地区の首位攻防戦、1位パドレス対2位ドジャース戦が24日(日本時間25日)、サンディエゴのペトコ・パークで行われ、ドジャースが8ー2で逆転勝ちし、2チームが同率首位で並びました。この試合の勝敗を左右したのは「9番打者の本塁打」でした。

 1ー0とドジャースが1点リードの三回、パドレスは一死走者一塁で、9番のディアス捕手が打席に立ちました。ドジャースの先発・山本由伸はここでディアスに左越え逆転2ランを許しました。山本が9番打者に本塁打を浴びたのは、メジャー移籍後、初めてです。

 六回にフリーマンのソロ本塁打で同点としたドジャースは七回、一死走者一、二塁から、9番のラッシング捕手が右越え3ラン本塁打を放ち勝ち越し。さらにフリーマンの2ランでこの回計5点入れ、九回の大谷翔平の本塁打王争いトップに並ぶ45号本塁打で勝負を決めました。山本は11勝目(8敗)。

 このように、「9番打者本塁打」が勝敗を分けた試合となったが、「最も本塁打が出ない」といわれる「9番打者」で、最多本塁打を打っているのが、8月6日にパドレスをFAとなったマーティン・マルドナード捕手。

 マルドナード捕手は、大谷がエンゼルス時代にバッテリーを組んだ捕手で、パドレスではダルビッシュ有と「生年月日が同じバッテリー」として、日本の大リーグファンにはお馴染みの選手。アストロズ時代の2023年6月13日には「9番、捕手」として出場し、メジャー通算100本塁打を達成しました。この本塁打が9番打者では43本目で、9番打者として43本塁打以上は、マルドナードだけです。

 9番打者の次に少ない8番打者の本塁打数はデル・クランドル捕手(ブレーブスなど)の109本が最多。最も本塁打が少ない「9番打者の本塁打」で「逆転」、「勝ち越し」となった首位攻防戦。ある意味で非常に珍しい一戦だったようです。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。