熱戦が続く第107回全国高校野球選手権大会が甲子園球場で大詰めを迎えつつあるが、今年も将来、プロ野球に、さらに大リーグでのプレーを予感させる好逸材が多く出ています。日米球界を席捲する大谷翔平(ドジャース)のような選手に育っていく可能性のある選手を探ってみました。

 プロ野球のスカウト陣が、将来性No.1に挙げるのが石垣元気投手(健大高崎)。今春のセンバツ前に左脇腹を痛めた影響もあって、夏の群馬大会を含め、3試合全てリリーフ登板で、計7イニングしか投げなかったが、甲子園の2回戦での京都国際戦で155㌔の豪速球を披露。体調が万全な時は160㌔近い速球も投げ込んでおり、今秋のドラフトの主役になるのは間違いないでしょう。

 このほか、奥村頼人(横浜)は登板機会こそ少なかったが潜在力を示し、4番打者としてチームを引っ張りました。西村一毅(京都国際)は、チェンジアップを織り交ぜた緩急巧みな投球が光りました。

 しかし、石垣以外では、3年生の投手より、2年生に逸材が揃っています。菰田陽生(山梨学院)は、1㍍94の長身から投げ下ろす直球に威力があるうえ、長打力や走力もあり、大谷のような「投打二刀流」の可能性も十分。2完封した織田翔希(横浜)や、奪三振能力が高い末吉良丞(沖縄尚学)らが、来年の甲子園にも出場し、どれだけ成長した姿を見せるか、注目されます。

 野手で真っ先に名前が挙がるのは、阿部葉太(横浜)。準々決勝の県岐阜商戦で2安打、2打点をマークするなど走攻守揃った選手。2回戦の日大三戦で1本塁打と2本の二塁打を放った遠矢文太(高川学園)は強打の捕手としてマークされるでしょう。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。