巨人対ヤクルト戦が7日、東京ドームで行われ、巨人・田中将大(36)、ヤクルト・石川雅規(45)の両ベテラン投手が先発、ともに投球術を駆使した味のある投球で持ち味を発揮しました。
田中は日米合計198勝(日本120勝、米国78勝)で、この日は史上4人目の日米200勝に王手をかける意味も含めて、5月1日以来の登板。マウンドに堂々と立つ姿は、3か月前とは変わっていました。
一回、制球良く両コーナーに直球、変化球を投げ分け中飛、遊ゴロ、ニゴロとわずか6球で三者凡退。その後も緩急の差を利用した投球で四回二死まで1人の走者も出さない「完全投球」を披露しました。
そこから2者連続で四球を与え、オスナに適時打をあびました。しかし、四球は徹底して低めのコースに集めた結果で、最小失点でしのぎました。結局、5回2/3を投げて投球数102、被安打3、奪三振3、与四球4、自責点1。1点リードの六回、味方の失策と四球が絡んだ二死一、二塁で降板し、その後、船迫が同点打を許して勝利投手の権利を失いました。「199勝目」は成らなかったが、今後に光が当たる投球でした。
プロ野球通算188勝の石川も、制球良く、打たせて取る投球で巨人打線に的を絞らせず、6回を投げて投球数78、被安打3、奪三振2、与四球3、自責点2。さらに五回に中前打を放ち、プロ1年目から24年連続安打のプロ野球記録を更新しました。
日米通算も含め、180勝以上の投手が先発対決するのは、2006年6月24日の中日ー巨人戦(ナゴヤドーム)で、183勝の中日・山本昌と、215勝の巨人・工藤公康が投げ合って以来、19年ぶり。この時も両者勝敗付かずに終わったが、「野球の神様」は、老骨鞭振って頑張る投手に軍配上げるのを今回も嫌ったようです。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。