日本高校野球連盟は1日、大阪市内で理事会を開き、来年からの指名打者(DH)制導入を決めました。全国大会では来春の選抜大会から採用されます。

 DH制は、投手に代わって守備につかない選手が打席に立つ制度。特に酷暑の大会で連投が続く投手の負担を減らすほか、新たな選手の出場機会を作ることが主な狙いです。高い打力を持ちながら守備が苦手なために出番のなかった選手などの起用の幅が広がります。

 また、DHを兼務する先発投手が降板後もDHとして試合に出場することができる、いわゆる「大谷ルール」を採用することも決めました。

 同連盟では、今年1月に始まった7イニング(回)制議論を進める会議などで、DH制に関する検討を進めてきました。7回制は12月に一定の方向を示す予定だが、それに先んじてDH制採用を決めました。DH制は、国内外の野球大会でほとんど採用が実施、あるいは実施の方向が決まっており、世界の野球で方向性すら決まっていないのは、日本のプロ野球セ・リーグだけとなりました。

 一方、第107回全国高校野球選手権大会(5日開幕、甲子園球場)は、暑さ対策として、開会式を初めて夕方に実施し、初日は午後5時半から1試合のみ行うことになりました。その開幕戦の抽選会が1日、オンラインで行われ、創成館(長崎)対小松大谷(石川)の対戦が決まりました。残る47校の組み合わせは3日に大阪市内で開かれる抽選会で決まります。

 高校野球は「エースで4番」のチームがかなりあり、それが高校野球人気の一因ともなっていました。いわば大谷翔平(ドジャース)の「投打二刀流」が、昔から根付いていたわけです。野球人口が減少する中、1人でも多くの選手に試合に出てもらう意義とともに、「第2の大谷」が世界に羽ばたくためにも、今回の決定は評価されます。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。