第107回全国高校野球選手権大会の地区予選は27日、全国各地で行われ、15大会で決勝が行われました。その中で、今春の選抜大会を制した横浜(神奈川)は、昨夏の県代表校・東海大相模を11ー3で破り、3年ぶり21度目の出場を決めました。

 神奈川県に所在地を置く野球チームは、昨夏の都市対抗野球で三菱重工East (横浜市)が優勝。昨秋のプロ野球日本シリーズでは、横浜DeNAベイスターズが日本一。11月の明治神宮野球大会の大学の部では、相模原市にキャンパスと野球部合宿、練習場がある青山学院大学、高校の部は横浜高校が優勝しました。

 同一都道府県で高校、大学、社会人、プロの野球チームが全て優勝して日本一になることは非常に珍しいケースです。

 選手でも、こうした経験をしたのはごく少数です。そのうちの1人が、ダイエーの内外野手として活躍した若井基安選手。PL学園(大阪)時代の1981年の選抜大会で優勝。法政大学時代も全日本大学野球選手権で計3度(82、84、85年)優勝。日本石油入社1年目の86年の都市対抗野球では同社の19年ぶりVに貢献。プロ野球では、現役生活最後の99年、日本シリーズで中日を下してチーム35年ぶりの日本一となりました。

 甲子園優勝ではないが、「国体優勝校」という条件を含めると、巨人やメッツなどで活躍した高橋尚成投手も修徳高校(東京)、駒沢大学、東芝、巨人で日本一を達成しています。

 神奈川代表となった横浜高校には、松坂大輔投手を擁した88年以来の春夏連覇の期待がかかるが、「野球王国・神奈川」の名をさらに高める使命も加わったようです。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。