阪神対巨人戦が2日、甲子園球場で行われ、八回、本塁でのタッチプレーを巡り、リプレー検証の判定に抗議したとして、巨人の阿部慎之助監督が退場処分となりました。自身としては選手時代の2014年7月11日の阪神戦以来2度目の退場で、巨人監督の退場は1974年の川上哲治監督以来、51年ぶりとなります。
「巨人軍は常に紳士たれ」という、球団の創業者である正力松太郎の言葉のためか、巨人監督の退場は数少ないです。50年の2リーグ制以降では、56年の水原円裕監督が1人目で、阿部監督が3人目です。
プロ野球監督の退場回数で最多は、広島で8回、楽天で4回の計12回のマーティ・ブラウン監督。2006年5月7日の中日戦では、初めて退場処分を受けた不満を爆発させ、広島市民球場の一塁ベースを引っこ抜き、内野に放り投げるパフォーマンスも見せました。
ロッテの金田正一監督は6回退場処分を受け、1991年6月23日の西武戦では判定に憤慨して審判に足蹴りし、パ・リーグから罰金100万円と出場停止30日という重い処分を受けました。
中日で4回、阪神で1回、楽天で1回の計6回退場を受けたのが「闘将」の異名を取る星野仙一監督。審判への暴力行為で退場したこともあるが、選手の士気を高めるために抗議することも多かったと言われます。
意外なのが、「冷静沈着」のイメージが強い中日の落合博満監督が、6回も退場していることです。といっても、ほとんどが規定の抗議時間5分を超える「遅延行為」によるもので、審判への暴言や暴力行為でなかったのは、落合監督らしいと言えます。
巨人監督では珍しい退場処分だったが、これが首位阪神に連敗したチームの「士気を高める」ことになるかどうか、注目されます。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。