中日対巨人戦が30日、バンテリンドームで行われ、巨人のマルティネスは両リーグ最速の20セーブを達成しました。また、開幕から24試合連続無失点となり、2012年に山口哲也がマークした球団記録に並ぶとともに、15年のバーネット(ヤクルト)を抜いて外国人セ・リーグ新記録を達成しました。
3点リードの九回、昨季まで中日の守護神だったが、今季はライバル球団・巨人のストッパーとしてマウンドに上がると、両球団のファンから声援、怒声が合体したような異様な音が湧き起こりました。しかし、マルティネスは冷静な表情で黙々と自分の仕事に没頭しました。
先頭打者の板山に右前打を許したが、続く木下を155㌔の速球で遊ゴロ併殺打に打ち取ると、最後は村松を空振り三振に仕留め、仕事を完遂した瞬間、雄叫びを上げました。キューバ出身で、20歳で来日したマルティネスは「名古屋で成長してきたことを考えると、中日戦での記録達成はうれしい思い」と感慨深げでした。
中日での7シーズンでAクラスは一度だけ。昨季まで3年連続最下位の悔しさを味わってきただけに、優勝への思いは人一倍強く感じており、連覇に挑む巨人に加入した今季は、悲願を果たす好機といえます。
中日時代から6年連続20セーブをマークし、これで通算186セーブ。史上10人しか達成していない200セーブの大台の今季達成も十分射程に捉えています。また、開幕からの無失点記録は、16年の田島慎二(中日)の31試合。こちらの更新も視野に入ってきました。
岡本和真の戦線離脱で、打線は今ひとつ波に乗れない巨人だが、今の戦い方は、スモールベースボールで終盤までにリードし、九回をマルティネスで締めることが最善の道と言えます。
◇◇◇◇
1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。