東京六大学野球の早大対明大戦3回戦が19日、神宮球場で行われ、早大の伊藤樹投手(4年・仙台育英)が史上25人目(26度目)のノーヒットノーランを達成しました。明大からの達成と、サヨナラ勝利での快挙は、いずれも史上初めてとなりました。

 今秋のドラフト候補の最速152㌔右腕の伊藤が、結成100周年を迎えた東京六大学の歴史に大記録を刻みました。負ければリーグ3連覇を逃す崖っぷちで、5四死球ながらも、打者32人を封じたのです。

 二回までは持ち前の制球力が乱れ、3四死球を与えたが、焦りはありませんでした。伸びのある速球と低めに集めた変化球で明大打線を苦しめ、11奪三振。試合は0ー0のまま、九回裏に早大が1点入れ、サヨナラ勝利を収めました。

 リーグ戦17勝目を挙げた 1㍍76、78㌔と、決して体格には恵まれていない右腕は、投手としての帝王学を小宮山悟監督から学びました。投球数106の投球を振り返って「人生で初めてのノーヒットノーランで、本当にやってしまったなあという感じ。立ち上がりは良くなかったが、ゼロに抑えれば100点としている」と、喜びを表しました。

 なお、サヨナラ勝利によるノーヒットノーランは東京六大学では初めてだが、プロ野球では過去102度中2度あります。 1951年9月5日に国鉄の金田正一が阪神戦の九回裏に国鉄が1点入れ達成。また、73年8月30日には阪神の江夏豊が、中日戦の延長十一回裏に自らサヨナラ本塁打を放ち、「延長ノーヒットノーラン」となりました。

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  1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。