日本ハムの左腕・宮西尚生投手(39)が、15日のオリックス戦(エスコンフィールド)の七回二死から救援登板し、岩瀬仁紀(中日)の879試合を抜いて、プロ野球歴代1位を達成しました。

 18年目の宮西は、左打者の西川龍馬に対する「左対左」のワンポイントとして、0ー0の七回二死三塁で登板。カウント2ー1から代名詞の切れ味鋭いスライダーではなく、直球を大胆に連投しました。相手の読みを外した配球でニゴロに仕留め、新庄剛志監督から祝福の花束を渡されて微笑みました。その際、指揮官からは「日本記録を作ってしまったから、これからは新人のつもりでやっていけたら、もっともっと長くやれるよ」と声を掛けられました。

 プロ初登板から全てリリーフでチームを支えてきました。試合後に、左肘にたまった水を注射で抜いてもらった回数は数え切れません。地道に経験を積み重ねて、2018年にはホールド数で山口鉄也(巨人)を抜く「400」を達成。今回は「俺の記録、抜かせよ」と、表彰式で同席した岩瀬の数字を塗り替えました。

 この日は降板直後に勝ち越し、23年6月10日の阪神戦以来705日ぶりの白星も手にしました。岩瀬の持つ通算登板1002試合まではあと122試合。「そこは気にせず、一歩一歩地道に、自分らしくいきたい」。

 9年ぶりの優勝目指して首位を走るチームの中で、中継ぎのレジェンドは一途に左腕を振り抜くことしか頭にないようです。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。