巨人対阪神の伝統の一戦が7日、東京ドームで行われ、巨人の主砲・岡本和真の離脱でファームからの緊急昇格した坂本隼人が勝ち越し二塁打を放ち、6ー4で勝利を収めてチームの危機を救いました。
「7番サード、坂本隼人」。試合前、スタメン発表のアナウンスが流れると、超満員のスタンドから大声援が沸き起こりました。前夜、巨人ファンに悪夢を引き起こした岡本の「左肘の靭帯損傷」による離脱。阿部慎之助監督は、不調が続いてファーム落ちしていた「チームの精神的支柱」の坂本を一軍に呼び出し、スタメン出場を決めました。
坂本はプロ19年目の今季、開幕から11試合の出場で打率1割2分9厘と不調が続きました。自ら決断して阿部監督に申し出て、4月15日に出場選手登録を抹消。昨年6月以来のファーム再調整となりました。その間、阿部監督からの助言など周囲の支えに感謝し、復活の時を思い描いてきました。そして、チームの緊急事態に出番がやってきました。
2ー2の同点の四回、二死一塁。阪神の先発・門別啓人が投げた外角低めのスライダーを粘り腰で左翼線への勝ち越し二塁打。今季初長打となった二塁打は、プロ野球歴代2位の通算460本目。1位の立浪和義(中日)の487本にあと27本に迫る一打でゲームの流れを引き寄せました。
開幕から阪神に東京ドームで5連敗。史上初の屈辱に加え、主砲の離脱。さらにこの日先発の山崎伊織の開幕からの無失点記録が、日本記録を目前にした36イニングで途絶えた直後で、チームに動揺が起きた時の、「36歳の復活劇」。打った直後、スタンドではオレンジのタオルマフラーが揺れに揺れ続けましたーー。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。