米大リーグ・ナショナルズ対ドジャース戦が8日(日本時間9日)、ワシントンのナショナルズパークで行われ、ドジャースの「1番、DH」で出場の大谷翔平は、4打数無安打で迎えた九回の第5打席で右前打を放ち、開幕から続けていた連続試合出塁を「13」に伸ばしました。これで、自身がエンゼルス時代の2023年にマークした日本人最長記録に並びました。

 第1打席は空振りの三振、第2打席も空振り三振、第3打席はニゴロ、第4打席は左飛と、1度も出塁出来ませんでした。こうして迎えた九回の第5打席、大谷は痛烈な当たりの右前打を放ちました。

 昨季、54本塁打、130打点で二冠に輝いた大谷だが、打率はトップのアラエス(パドレス)にわずか4厘差の2位に終わり、三冠王を逃しました。本塁打王、打点王の二冠や、史上初の「50本塁打、50盗塁」というとてつもない記録の陰に隠れた形だったが、振り返ると、わずかの差で逃した「三冠王」は残念でなりません。

 3度の三冠王に輝いた落合博満さんは「無安打で迎えた最後と思われる打席は、死に物狂いでヒットを狙いにいった。それが三冠王につながった」と言っていました。2度の三冠王を獲得した王貞治さんは「一度も出塁していなかったら、最後と思われる打席はヒットでも四球でもとにかく塁に出たかった」と、ともに「最後の打席」の大事さを強調していました。

 負け試合でも、「次の試合につながるヒット」は、本人のためにもチームのためにもなると思います。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。