米大リーグでは、開幕からの連勝、連敗記録が話題になっています。2日(日本時間3日)、各地で行われた試合でも、ドジャースが大谷翔平のサヨナラ本塁打で5点差を引っくり返して8連勝、パドレスは7連勝を達成しました。連敗では、7年連続ポストシーズンに進出しているブレーブスが7連敗となっています。
この開幕からの連勝、連敗記録を見ていくと、上には上がいるものです。
まず連勝記録。開幕から13試合も勝ち続けたチームが3つもあります。最初にこの偉業を成し遂げたのは、82年のブレーブス。当時のブレーブスは、直近4年間で勝率5割を超えたのが1シーズンだけの弱小球団でした。これを変えたのが、ジョー・トーリ監督。
といっても、トーリ監督はメッツを指揮した5年間で勝率5割を上回ったことは1度もなく、最下位を3度も記録していました。いわば「ダメ監督」を迎えた「負け犬」ブレーブスが開幕から勝ち続けたのだから、誰もが驚きました。その後、8月に2位に転落しながらも、最後にドジャースとのつばぜり合いを制し、1ゲーム差で13年ぶりの地区制覇を飾りました。
次に87年のブルワーズ。こちらは開幕13連勝の後、負けを1つ挟んでまた4連勝したので、この時点で17勝1敗のハイペースだったが、その後、5月に12連敗するなど低迷し、前半戦は42勝43敗でア・リーグ東地区の4位となるなど、再び上位に返り咲くことはありませんでした。
さらに2023年のレイズも36年ぶりに開幕13連勝を達成したが、何故か「13」で止まるのも不思議なことと言えます。
連敗は、88年のオリオールズが喫した悪夢のような開幕からの21連敗。当時のチーム1のスター選手は2632試合連続出場のメジャー記録を持つカル・リプケン。監督はその父カル・リプケン・シニアだったが、6連敗の時点でリプケン監督が解任されました。新監督となったスーパースターのフランク・ロビンソンの下でもチームは勝てませんでした。
連敗が「18」まで伸びると、当時のロナルド・レーガン大統領がロビンソン監督に激励の電話をかけるなど、全米の大きな関心事になりました。そんなオリオールズにようやく春が訪れたのは、開幕から22試合目を迎えた4月29日のホワイトソックス戦でした。
ドジャース、パドレスの連勝記録、ブレーブスの連敗記録はいつまで続くのか、注目が集まっています。
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1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。