開幕直後の米大リーグで、これまでと形状の異なるバットが注目を集めています。最も太い部分が先端部分でなく、ボールを打とうとする位置という打者の手元に近い部分にあるもので、「魚雷バット」、「ボウリングのピン・バット」と呼ばれています。

 魚雷バットは、今季から使われたのではなく、ここ数年使われ始めたが、複数の選手が使用したヤンキースが開幕3試合で合計15本塁打のメジャータイ記録をマークしたことで、大きな話題となりました。

 大リーグ公式サイトによると、使用できるバットは、最も太い部分の直径が2.61㌅(約6.63㌢)、長さは42㌅(約107㌢)を超えてはならない、と定められており、魚雷バットはルールに違反してはいません。

 このバットを考案したのは、米マサチューセッツ工科大学で物理学の博士号を取得し、ミシガン大学で物理学教授を務めた経歴を持つアーロン・リーンハート氏で、リーンハート氏はヤンキースの元アナリストで、今季からマーリンズのフィールドコーディネーターに就任しました。

 ヤンキースでは、ゴールドシュミットやボルピー、チゾムJr.らが使っているが、主砲・ジャッジは使用しておらず、新バットの効果はまだはっきりしていません。

 これまで、バットの変更は、材質に関わることが多く、王貞治が使っていた「圧縮バット」が禁止してされたり、金属バットの誕生、低反発バットの導入などの歴史があります。形状については大きな変更は長い間無かっただけに、魚雷バットの導入が、どう野球に変化をもたらすか、注目されます。

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 1984年の王監督の時代から、藤田、長嶋、原監督まで、20年以上巨人を担当した某新聞社運動部元記者。